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12歳で突然、50人に1人の「脱毛症」に...髪の毛を失った私が「ミスコン」に出場するまで

Bald and Proud

2025年5月29日(木)15時31分
エリザベス・セビニー(インフルエンサー)
脱毛症を患うも、ミスコンではイブニングドレスを着て夫と一緒に笑顔を見せたインフルエンサーのエリザベス・セビニー

ミスコンではイブニングドレスを着て夫と一緒に笑顔を見せた ELIZABETH SEVIGNY

<自己免疫疾患で髪を失い、一時は自死も頭をよぎった。それでも「強いロールモデル」になろうと決意できた理由>

数学の授業でのこと。何げなく黒髪に指を通したら、ハゲている箇所に触れた。帰宅後、泣きながら母に話すと、皮膚科に連れて行かれ、ステロイド注射を打たれた。「円形脱毛症」という言葉を聞いたのはその時が初めて。

【動画】脱毛症になった女性が「禿げたママ」名義で始めたインスタ投稿...毛が抜け落ちた頭もさらけ出す

私は12歳だった。もともと毛量が多く、小さなハゲは残っている髪で隠せたから、当初はさほど気にしなかった。


学年が上がると自分を醜いと感じ、外に出るのが苦痛になった。抜け毛が治っても、心理的な傷は消えなかった。

2022年9月。再び抜け毛に気付いた。しかも今回は小さなハゲがいくつかではない。長い黒髪がごっそり抜けていた。

またすぐ生えると自分に言い聞かせていたが、夫に説得されて、とうとうクリニックに行くことに。それからは鏡の前に立って1日3回、頭に薬を塗るようになった。けれども抜け毛は悪化の一途をたどった。それも急速に......。

この時の苦しみはとても言葉では言い表せない。1人で思い詰め、「もう何もかも終わりにしたい」とさえ思った。

診断名は自己免疫疾患の脱毛症。自分の体が健康な毛包を攻撃する病気で、50人に1人がかかるという。原因ははっきりしないが、ストレスが引き金になることもある。

私はただただ孤独だった。

転機になったのは妊娠が分かったこと。脱毛症の治療を始めて1カ月余りたっていたが、おなかの子供のために薬をやめることにした。病気への向き合い方が変わり始めたのは、それからだ。

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