あの映画のモデルになった「鬼編集長」...アナ・ウィンターは「華麗に引退」して大儲けする
Anna Wintour Exits “Vogue”
同誌編集長の座を退いても、ウィンターは「現実には、経済的利益を得るだろう」と、ビジネス・金融ジャーナリズムを専門とする米ミズーリ大学のマーサ・ステフェンズ教授は本誌に語る。
ステフェンズに言わせれば、コンデ・ナストでの役割を継続するウィンターは今後も給与を受け取る。加えて「書籍や映画・動画、講演契約など、ほかのプロジェクトに時間を割く余裕ができるかもしれない」と指摘する。
「ウィンターが経済状況を懸念しているとは思わない。現在の資産額は少なくとも計5000万ドルだ。すぐになくなるような金額ではない」
膨らむ影響力と可能性
米マンチェスター・メトロポリタン大学のカースティ・フェアクラフ教授(映像学)も同じ意見だ。
「ウィンターはコンデ・ナストやヴォーグで今後も大きな影響力を持つ。編集権限の次世代への移行を含めて、ブランドの戦略的方向性に存在感を示し続ける」と、フェアクラフは本誌に語る。
ウィンターは95年からMETガラの主催者も務めている。ニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年5月に開催されるガラは、セレブが集結するファッションの祭典だ。
「ウィンターの名前は、国際的に注目されるガラや(ファッションイベントの)ヴォーグ・ワールドと切り離せない。おかげで、業界内でのウィンターの公的・制度的権威がさらに確かなものになっている」と、フェアクラフは言う。