あの映画のモデルになった「鬼編集長」...アナ・ウィンターは「華麗に引退」して大儲けする
Anna Wintour Exits “Vogue”
英ロンドン大学シティ・セント・ジョージ校上級講師で、現代ファッションメディアを研究するロージー・フィンドレーの見方はこうだ。
「ヴォーグの編集長とグローバル編集責任者、コンデ・ナストの最高コンテンツ責任者を兼務していた当時は交渉の上で、特定の給与を手にしていたのだろう。編集長としての分は差し引かれたかもしれないが、確かなことは分からない」
ウィンターの編集長退任は、本人にとってもヴォーグにとっても新たなチャンスだ。
「何にでも名前を貸すセレブインフルエンサーと違って、ウィンターはどんな商品にも名前を提供したことがない。本人が望むなら、自ら体現する特別感や正確性、冷静な統制力というイメージに基づくブランドを構築できるだろう」と、ステフェンズは話す。
「(ウィンターのトレードマークである)サングラスや香水なら、ヒット商品になるはずだ。回顧録やスタイル本を発表する手もある。ベストセラーになるのはほぼ確実だ」
ヴォーグのほうはどうか。ウィンター退任は「進化の重要な分岐点だ」と、フェアクラフは語る。「伝説的人物の退任は困難な挑戦で、チャンスでもある。紙媒体の時代、カリスマ頼みの時代が終わったファッションメディアにおける権威や美学、関与の在り方を考え直す必要がある」
フィンドレーに言わせれば、「長年のウィンター体制が終わり、フレッシュな視点を導入する機会」だ。