最新記事

K-POP

K-カルチャー、2022年は「逆走」がトレンド K-POPからドラマ、ウェブ小説まで

2022年12月31日(土)19時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

reuter_20221231_191414.jpg

ネットフリックスで逆走現象が起きた『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』(ネットフリックスの画面より)

Netflixなどドラマの世界でも「逆走」現象が

しかし、「逆走」がK-POPだけのものと思ったら間違いだ。スマートフォンとサブスクサービスの普及で、いつどこでもコンテンツを楽しめるようになったことから、さまざまなK-コンテンツのジャンルで「逆走」現象が見られるようになっている。

Netflixのトップ10チャートによると、今年の夏話題となった『私の解放日誌』のヒットによって、同じ脚本家パク・ヘヨンの前作『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』も再び注目を集めた『マイ・ディア・ミスター』は2018年に放送されたドラマだが、今年6月6日から2週間、韓国のNetflixでトップ10チャートに返り咲き、4年前の作品とは思えない人気を集めた。

さらに、ドラマの世界で起きた新しい「逆走」現象として注目されたのはプラットフォーム間での「逆走」だろう。その代表的な例が今年の韓国ドラマを代表する大ヒット作品『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』だろう。韓国ドラマの多くは地上波、あるいはケーブル局で放送されたものが注目を集めて、Netflixなどの配信サービスでさらに話題を集めてヒットする、というパターンをとる。

ところが『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、今年4月に誕生した新興ケーブル局ENAで放送されたため、昨年『恋慕』などでブレイクした女優パク・ウンビンの新作だったのにかかわらず、スタート当初の第1話の視聴率はわずか0.9%に過ぎなかった。その代わりに放送と同時に配信が行われたNetflixで口コミが広まり、それに連動する形でENAでの視聴率も上昇、最高17.5%という無名のケーブル局としては破格の好成績を収めることに成功した。

メディアを横断した「逆走」現象も

さらに2022年は、一つのコンテンツがウェブ小説やウェブトゥーン、ドラマ、映画など、多様なメディアを横断する形で作品化され、「逆走」のサプライチェーンとして成功を収める事例も見られた。特に、NAVERウェブトゥーンやカカオ・エンターテインメントなどの大型ウェブトゥーン、ウェブ小説サービスで製作されたドラマは年間40本にも達し、コンテンツの版権契約や映像化が活発に行われ、メディア横断の「逆走」は2023年にはさらに増える見通しだ。

こうしたメディア横断型の「逆走」の最新かつ最大のヒット作が、つい先日最終回を迎えたJTBCのドラマ『財閥家の末息子』(主演=ソン・ジュンギ、イ・ソンミン)だ。原作のウェブ小説『財閥家の末息子』は、NAVERウェブトゥーンの子会社であるムンピアで2017年から2018年まで連載された完結から4年も経った作品。ところがドラマ化をきっかけに売上が急増。11月末時点で2カ月前の230倍の売上を記録しているという。ドラマ自体も最高視聴率26.94%を記録し、JTBCの歴代ドラマの中で最高視聴率2位という記録を打ち立てた。

日本でも『梨泰院クラス』はドラマだけでなく原作のウェブトゥーンも人気を集めているし、韓国のウェブ小説やエッセイなど読者層を拡大している。近い将来、韓国のエンタメコンテンツが日本でもメディア横断型の「逆走」ヒットを果たす日が来るかもしれない。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン最高指導者、ホルムズ海峡管理「新段階」と表明

ワールド

レバノン、イスラエルとの協議に向け一時停戦提唱 ヒ

ビジネス

IMF、世界成長率を下方修正へ 金融支援需要は最大

ビジネス

米2月PCE価格指数、0.4%上昇に伸び加速 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポケモンが脳の発達や病気の治療に役立つかも
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 6
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    「嬉しすぎる」アルテミスII打ち上げのNASA管制室、…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 10
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中