最新記事

健康

健康マネジメントは「部下の育成」「子育て」「愛車メンテナンス」と同じ

2019年9月4日(水)17時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

DevidDO-iStock

<健康なまま死に至るのは20人に1人。だが健康管理がいかに大事かということは頭では理解されても、実際に習慣化できる人は多くない。無理なく「健康マネジメント」を続けていくために必要なものは?>

日本は世界トップクラスの長寿国。人生100年時代の到来は目の前に迫っている。

しかし、いくら寿命が延びても「健康なまま死に至るのは20人に1人」だと、東京慈恵医科大学教授・行動変容外来診療医長兼慈恵医大晴海トリトンクリニック所長の横山啓太郎氏は語る。

20190903healthmanagementbook-cover200.jpg横山教授はこのたび、長生きに伴うリスクを解説し、主体的に健康な生活習慣を獲得していく必要性とその方法について提案すべく、『健康をマネジメントする――人生100年時代、あなたの身体は「資産」である』(CCCメディアハウス)を刊行した。

「病気」ではない「老化」を正しく見つめ、ときに世界的ベストセラーで紹介される思考法まで交えながら「マインドセット」と「習慣」の改善を目指す一冊だ。

ここでは本書から一部を抜粋し、3回に分けて掲載している。第3回は、挫折することなく健康マネジメントを継続していくために重要となる心持ちを紹介する。

※第1回:「人生100年なのに医療は人生70年設定のまま」が引き起こす問題
※第2回:「7つの習慣」の中で「健康なまま年を取る」に役立つのはこれ

◇ ◇ ◇

部下の面倒をみるつもりで自分に接する

健康マネジメントは、会社のマネジメントとかなり近いといえます。ビジネスパーソンの読者の方なら、このイメージがしっくりくるかもしれません。

健康マネジメントがうまくいかないときは、そのうまくいかなかった「結果」を自分のなかで責めてはいけません。がんばろうとした「プロセス」を認めて解決策を考えるのです。プロセスでなく結果のみにフォーカスすると、自分が嫌になってしまいます。

会社のマネジメントに置き換えれば、あなたの部下が失敗したときに「お前、失敗しただろ!」と結果を責めたとします。これは非常に感じが悪い。言うほうも言われるほうも後味が悪いものです。このとき、結果でなくプロセスにフォーカスすると、嫌な感じが薄まります。「それは話をする相手がまちがってたね。あの会社のキーパーソンは○○さんだから、今度からそちらに話をもっていこうか」

結果ではなく、プロセスをふまえてアドバイスするだけでだいぶ印象が変わってきます。うまくいかなかったときには、結果の成否より、そのときのプロセスに目を向けるのです。

会社とちがい、健康マネジメントにおいては自分で自分をマネジメントする視点が必要になります。あなた自身が自分の上司であり、部下です。失敗したときに「どうして自分は失敗したんだ」「ダメな人間だ」と責めるだけではなんの解決にもなりません。「やり方を間違えたんだな。週3回じゃなく、週1回からはじめてみよう」、自分の行動もそんなふうにみてあげます。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

EU、米英貿易合意の影響を分析=欧州委通商担当

ビジネス

米融資需要、第1四半期は全般に減退=FRB調査

ビジネス

0.5%利下げ主張、「危険な」貿易情勢考慮=テイラ

ビジネス

米新車販売価格、4月は前月比+2.5% 関税影響し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 10
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中