最新記事

パックンのお笑い国際情勢入門

「日本のお笑いって変なの?」をパックンが外国人3人と激論しました

NOT STANDUP, SIT DOWN COMEDY CHAT

2019年8月5日(月)18時05分
ニューズウィーク日本版編集部

「スタンダップより、ツッコミがいる漫才のほうが暴走できる」

パックン 先日、池袋で英語のスタンダップコメディーをやっていた人も、アメリカのお笑いはメッセージ性があると言っていた。さらに、1人でやるから想像が膨らむ、思い付いたものを自由に暴走させられる、日本の漫才だと2人だから相方に止められて想像が限られるんだと。

チャド 僕はその、どこぞのアメリカ人が言ってたことと真逆やと思います。2人だからこそ想像力が無限になる。

パックン ちなみに、それを言ったのはアメリカ人ではなく日本人。20年ぐらいニューヨークでスタンダップをやっている林亮さん。全然売れてないけど。

チャド 1人で発想を飛ばしていくと、お客さんがついてこれないときがある。でも2人だと、それはこういうことやとツッコミが言って、現実に戻すことができる。だから漫才のほうが暴走できる。凧揚げに例えると、2人でやるからこそ、どこまでも高く揚げられる。

パックン 凧揚げは1人でやるもんだよ。

チャド ボケが凧で、ツッコミが糸を持っているということ。

パックン 全員にすぐに伝わらなくても相方には伝わって、相方がそれをかみ砕いてお客さんに伝えればいいから、むしろ日本の漫才のほうが暴走できるよと、僕もその人に反論した。

 でもそれは相棒によるんでしょ。だってパックン、相棒消えたじゃん。

パックン いーる! 消えてないよ! 今日も昼間一緒の仕事だったの、元気にしてるの!

 2人だから必ずいいとは限らない。1人でも2役、3役できると思う。

パックン 中国に2人でやるお笑いはある?

 中国には何でもある。2人でやる漫才もあって「相声(シャンション)」と呼ばれる。

パックン では、ナジーブさん。ナジーブさんはシリア出身なんだけど、今日は中東代表としていろいろ教えていただきたい。中東には2人でやる漫才みたいなものはあるんですか。

ナジーブ ないですね。

パックン 替え歌は? ポップスの曲の歌詞を替えて笑いにしたりすることは?

ナジーブ 若者が集まる場でそういうことはあるかもしれないけれど、芸としてはない。

パックン テレビで見るお笑いにはどういうものがある?

ナジーブ テレビだとコメディーのドラマがある。

パックン シチュエーションコメディー(シットコム)だね。日本にはこれがない。

チャド ただ、日本のドラマは、それ自体コメディーの要素が多い。それに吉本新喜劇というすごい文化がある。

ナジーブ 中東で盛んなのはジョーク。特に政治的なジョーク。他にも、10年ほど前から、政治評論番組でアメリカの真似をしたものが登場していて、ジョン・スチュワートみたいな人がいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パレスチナ国家承認、米国民の6割支持=ロイター/イ

ワールド

潜水艦の次世代動力、原子力含め「あらゆる選択肢排除

ビジネス

中国債券市場で外国人の比率低下、保有5カ月連続減 

ワールド

台湾、米国との軍事協力を段階的拡大へ 相互訪問・演
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中