最新記事

JURASSIC PARK

『ジュラシック・ワールド』最新作監督「恐竜の声で俳優たちを...」

2018年6月29日(金)12時18分
ニューズウィーク編集部

最新作を手掛けたバヨナは、恐怖心や深い人間心理の表現が得意 ©UNIVERSAL PICTURES


jurassicmookcover-200.jpg<7月13日から全国公開となる『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の監督は、スペイン出身のフアン・アントニオ・バヨナ。シリーズに新風を吹き込むバヨナにインタビューした。本誌SPECIAL EDITIONムック「『ジュラシック・パーク』シリーズ完全ガイド」より>

最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の監督は、『永遠のこどもたち』『怪物はささやく』などで恐怖心や深い人間心理を表現してきたスペイン出身のフアン・アントニオ・バヨナ。撮影現場の様子や、作品の見どころなどについて語ってくれた。

――シリーズの伝統を守ることと、あなた自身の作風を加えることのバランスをどう取った?

監督に決まってからいろいろとリサーチをして、恐竜に魅せられている子供たちにとってこのシリーズがいかに大事なのかを理解したよ。恐竜の皮膚感や色が重要だと気付いたから、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)のスタッフと話し合いを重ねて前作の恐竜にもっと色彩を加えることにした。

――スティーブン・スピルバーグが『ジュラシック・パーク』の撮影現場で恐竜の声を流したというのは有名な話。あなたも同じことをしようと思った?

現場ではいつでも恐竜のうなり声を流せるように準備していた。俳優たちも驚かされることを楽しんでいたから、隙をうかがってはびっくりさせていた。

――前作に続きマイケル・ジアッキーノが音楽を担当した。

マイケルはこの作品に求められる音楽を完璧に理解している。彼とは音楽のこと、ジョン・ウィリアムズやヒッチコック作品の音楽を担当したバーナード・ハーマンのことなんかをいろいろ話し合ったよ。偶然にも2人で同じ曲のことを考えていたのは面白かった。『SF巨大生物の島』(61 年)の音楽のことを話したら、彼も同じことを思っていたと言うんだ。うれしかったね。

――オーウェン(クリス・プラット)やクレア(ブライス・ダラス・ハワード)など前作と同じ人物が登場する。

オーウェンとクレアは前作よりも人間的に成長している。彼らは別れてしまったが、クレアがオーウェンに恐竜を救出するため島に戻るよう説得し、シリーズならではの化学反応が起こるんだ。クリスとブライスは自分の役をよく理解しているし、相性もすごくいい。

――シリーズ第1、2 作に出ていたイアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)が再登場する。

新作に過去の作品の要素を取り入れるのは面白いが、この作品は3 部作の2 作目ということに留意する必要があった。3 作目の完成前に、過去作の影響を2作目に反映するのは複雑で危険な行為。だからこそ、イアン・マルコムが必要だった。物事が複雑な方向に進み過ぎたら、彼が正しい道を示してくれる。物語が込み入っても、マルコムが「理性の声」になってくれた。

――本作の一番の見どころは?

コリン・トレボロウ(前作監督で本作の製作総指揮・脚本)と話したのは、恐怖の要素をもっと加えたいということ。第1作でティラノサウルス(T-レックス)を初めて見たり、厨房でヴェロキラプトルと遭遇する場面の感覚を私は今も覚えている。みんなスリルは大好きだから、今回は恐怖のレベルを上げたかった。楽しく撮影できたし、劇場で観客の反応を見てもっと楽しみたいね!

◇ ◇ ◇

※世界中の映画ファン、恐竜ファンを魅了してきた『ジュラシック・パーク』の全米公開25周年を記念した、本誌SPECIAL EDITIONムック「『ジュラシック・パーク』シリーズ完全ガイド」は、シリーズ全作の知られざる逸話や最新作の見どころが満載。こちらからお買い求めになれます。

【参考記事】琥珀とダニと恐竜再生──『ジュラシック・パーク』が現実に?
【参考記事】ハイブリッドな恐竜もいる、怖くて愛すべき恐竜図鑑

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イランとイスラエル、再び互いを攻撃 米との対話不透

ワールド

米が防衛費3.5%要求、日本は2プラス2会合見送り

ビジネス

トヨタが米国で値上げ、7月から平均3万円超 関税の

ワールド

トランプ大統領、ハーバード大との和解示唆 来週中に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 6
    【クイズ】次のうち、中国の資金援助を受けていない…
  • 7
    ジョージ王子が「王室流エチケット」を伝授する姿が…
  • 8
    イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ
  • 9
    中国人ジャーナリストが日本のホームレスを3年間取材…
  • 10
    「巨大キノコ雲」が空を覆う瞬間...レウォトビ火山の…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中