リチウム、蓄電ブームで今年は需要拡大か 供給不足に転じる見込み
リチウムは2026年、エネルギー貯蔵ブームにより需要が拡大し、供給過剰からの反転が加速する可能性がある。資料写真、2025年7月(2026年 ロイター/Florence Lo)
Amy Lv Tony Munroe
[北京/シンガポール 5日 ロイター] - リチウムは2026年、エネルギー貯蔵ブームにより需要が拡大し、供給過剰からの反転が加速する可能性がある。
リチウム市場は2022年後半から供給過剰に見舞われてきた。この年に電気自動車(EV)用電池ブームをきっかけに価格が急騰し、供給が急増した一方、需要の伸びがそれに追い付かなかったためだ。
しかし2025年後半、中国の電力セクター改革によって蓄電池に使われるリチウムの需要が予想以上に拡大し、新年の市場について慎重ながらも楽観的な見方が広がった。
コンサルタント会社フーバオのアナリスト、ジンイー・スー氏によると、中国および世界でのデータセンター建設ブームも、リチウムを使った蓄電池の需要拡大につながっている。スー氏は「エネルギー貯蔵は今後、リチウム市場を一変させ、ファンダメンタルズを改善させそうだ。ただ、行き過ぎた価格高騰はエネルギー貯蔵の採算を損ないかねないため、価格上昇は抑えられるかもしれない」と述べた。
中国にとって、蓄電システムは最も実入りの良いクリーン技術関連輸出に浮上し、25年1―10月の輸出額は約660億ドルに上った。
モルガン・スタンレーの推計では、リチウムは26年に8万トン(炭酸リチウム換算、LCE)の供給不足となる。またUBSは、25年に6万1000トンの供給過剰だったのが、26年には2万2000トンの供給不足に転じると予想している。
26年の世界のリチウム需要増加率について、アナリスト4人の予想レンジは17―30%、供給増加率は19―34%となった。26年のリチウム価格予想レンジは1トン当たり8万―20万元(1万1432―2万8580ドル)と、25年の5万8400―13万4500元を上回った。
UBSのデータに基づくロイターの計算では、蓄電用のリチウム需要は、25年の71%増に続き、26年に55%増加する見通しだ。
中国の証券会社、国泰君安の予想によると、蓄電用のリチウム需要は26年のリチウム消費全体の31%を占め、25年の23%から増えるとみられる。
ただ蓄電システムを巡っては、ナトリウムイオン電池技術への移行が予想より速く進む可能性がある上、EV販売の鈍化も相まってリチウム需要は減少しかねない。一方、供給は増えるため価格の上昇が抑えられるかもしれないとアナリストらは指摘した。





