トランプ氏、ベネズエラ再攻撃警告 反発の政権メンバーに協力迫る
フロリダ州パームビーチにあるマール・ア・ラーゴ・クラブで、ベネズエラへの米軍攻撃後に記者会見するトランプ大統領。2026年1月3日撮影。REUTERS/Jonathan Earnst
[米大統領専用機/ワシントン/パームビーチ(米フロリダ州) 4日 ロイター] - トランプ米大統領は4日、ベネズエラのマドゥロ大統領拘束を受けて、国の「立て直し」を図る米国の取り組みにマドゥロ政権のメンバーらが協力しない場合、2回目の軍事攻撃を実施する可能性があると述べた。
米大統領専用機内で記者団の取材に応じ、「彼らが従わなければ、第二の攻撃を仕掛ける」と発言。平和維持活動のために地上軍が派遣されることを意味するのかとの質問には、現在ロドリゲス副大統領が暫定的に率いている政権の行動次第だと述べた。
トランプ政権の戦略について説明を受けた関係者3人によると、トランプ氏の顧問らは、ロドリゲス氏と水面下で協力できる可能性があると考えている。同氏は公の場では米国に反発しているものの、政権移行や石油関連の課題で米国と協力する可能性があるテクノクラート(技術官僚)とみられている。
トランプ氏はロドリゲス氏に対し、石油や道路などのインフラへの「完全なアクセス」を米国と米企業に与えるよう求めていると説明。協力しない場合、ロドリゲス氏が「おそらくマドゥロ大統領よりも悪い状況に直面するだろうとだけ言いたい」と述べた。
さらに、コロンビアとメキシコも米国への違法薬物流入を減らさなければ軍事行動に直面する恐れがあると示唆。「コロンビア作戦は良い考えだと思う」とし、「コロンビアも非常に病んでいる。コカインを製造し米国に売るのが好きな病んだ男が統治しており、彼は長くは続かないだろう」と述べた。同国のペトロ大統領に言及したとみられる。
ベネズエラの同盟国であるキューバについては「崩壊寸前だ」と述べ、軍事介入は必要ないとの見解を示した。
米軍の作戦で拘束されたマドゥロ氏は米国に移送後、ニューヨークの拘置所に収容され、麻薬テロ共謀などの罪で5日に連邦裁判所に出廷する予定。共に拘束された夫人もコカイン密輸共謀罪などで起訴されている。
トランプ氏は、新政権樹立のために直ちに選挙を実施するのではなく、麻薬取り締まりと石油産業立て直しに向けて、残るマドゥロ政権メンバーと協力すると述べた。
ただ、ロドリゲス氏以外の政権高官らは4日、マドゥロ氏を引き続き結束して支持すると表明。カベージョ内相は与党・統一社会党(PSUV)が公開した音声録音で「革命勢力の結束は十二分に保証されており、唯一の大統領はマドゥロ氏だけだ。誰も敵の挑発にだまされるな」と述べた。
また、パドリノ国防相も国営テレビで、米軍の攻撃で兵士や民間人、マドゥロ氏の警護隊の「大部分」が「冷酷に」殺害されたとした上で、軍が主権を保証するために活動していると述べた。
<石油資源>
トランプ政権はマドゥロ氏拘束の根拠について、2020年に麻薬テロ共謀罪などで米当局が起訴した事件の法執行任務だったと説明している。マドゥロ氏は犯罪への関与を否定している。
一方でトランプ氏は、米石油会社が莫大な埋蔵量を誇るベネズエラの石油資源への「完全なアクセス」が必要だと述べているほか、米国に流入するベネズエラ移民もマドゥロ氏拘束の決定要因だと示唆。
「(マドゥロ氏拘束の決定に)本当に影響したのは、彼が刑務所や精神病院から何百万人もの人々、麻薬密売人、国内のあらゆる麻薬中毒者をわが国に送り込んだという事実だ」と主張した。
ルビオ米国務長官はベネズエラの次期指導者について、米国の利益に沿った人物であるべきとの考えを示した。これにはベネズエラの石油産業が米国の敵に渡らないようにすることや、麻薬密売を阻止することなどが含まれるという。
ABCの番組で「われわれは彼らの石油を隔離している」と述べ、制裁対象タンカーに対し実施している封鎖に言及。「つまり、米国の国益とベネズエラ国民の利益が満たされるまでは、彼らの経済は前進することができないということだ」と語った。
<首都で混乱見られず>
ベネズエラの首都カラカスでは4日午後、政府主催のデモ行進にマドゥロ氏の支持者らが集まった。参加者の一人は「国民は屈服してはならないし、二度と誰かの植民地になってはならない」と述べた。
一方、反体制派はマドゥロ氏拘束を公に祝福することを控えているとみられ、市内では治安部隊の姿が普段より少ないようだった。
神経質なムードは続いているものの、パン屋やコーヒーショップは営業しており、ジョギングやサイクリングを楽しむ人たちの姿も見られたほか、生活必需品を買い込んでいる市民もいた。





