最新記事

株の基礎知識

円安の今こそ買いたい銘柄は「円安じゃなくても」の日本企業

2022年11月18日(金)06時25分
千葉 明 ※かぶまどより転載
キヤノン

復興感を強めるキヤノン Thomas Peter-REUTERS

<こんな時こそ、「円安効果を差し引いても好調な外需型企業」に注目するのが一法。兜町を歩き該当企業を探したところ、顔見知りの老獪なアナリストがある企業の名を挙げた>

円安じゃなくても好調な企業を探せ!

円安が加速した。10月18日には1ドル=149円台まで値下がりする場面もあり、その後、一時は150円台に突入した。

円安が「外需型企業にフォロー」であることは、周知の事実。だが一方では、日銀が新たな介入に踏み切ることも想定される。そこで、「円安効果を差し引いても好調な外需型企業」に注目してみるのが一法ではないだろうか。兜町を歩き該当企業を探したところ、顔見知りの老獪なアナリストがある企業の名を挙げた。浜松ホトニクス<6965>。「製品がニッチ市場で高いシェアを占めていることから、地政学的なリスクにも抵抗力のある外需企業」だという。

光電子倍増管で約90%の世界シェアを占め、光検出機器関連の高技術にも定評がある。前期(9月期)の「20.5%増収、52.7%経常増益、51.6%最終増益、8円増配48円配当」に続き、当期も「8.1%増収(1828億円)、12.3%経常増益(389億円)、13.0%最終増益(283億円)、8円増配56円配当」の計画。だが3月25日に「産業用機器分野を中心に想定を上回る売上増」を主たる要因に、それぞれを「1990億円、493億円、360億円、64円配当」に上方修正した。事業の好調自体は円安進行前の、前期決算から理解できる。こんな具合だ。

●電子管事業......医療分野でPCR検査用装置などの需要が内外で伸長。半導体検査装置向けが海外を主に増加。これに伴い半導体ウエハ検査装置向けの光源が需要増。

●光半導体事業......医療分野でX線・CTスキャン向けのシリコンフォトダイオードが、内外で継続して需要が高まった。産業分野ではイメージセンサ(半導体製造・検査装置向け)や、産業用ロボット向けファクトリーオートメーション分野でフォトIC・フォトダイオードが売り上げ増。

●画像計測機器事業......検体検査装置向けボードカメラが、北米で継続的に需要増。遠隔病理診療用デジタルスライドスキャナーが、欧州を中心に伸長。

kabumado20221118enyasu-chart.png

浜松ホトニクスと同様の視点から、こんな企業にも魅力を覚える。

(参考記事)個人投資家が知っておきたい「製品の一生」とポートフォリオの関係

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界的「異例」事態、ECBは慎重姿勢維持を=アイル

ビジネス

中国人民銀、中期貸出制度を修正 政策金利の役割さら

ワールド

米ロ、黒海穀物協定再開について協議へ=ロシア報道官

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、3月は7か月ぶり高水準 製造業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放すオーナーが過去最高ペースで増加中
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    ロシア軍用工場、HIMARS爆撃で全焼...クラスター弾が…
  • 5
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 6
    ドジャース「破産からの復活」、成功の秘訣は「財力…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    トランプ版「赤狩り」が始まった――リベラル思想の温…
  • 10
    インド株から中国株へ、「外国人投資家」の急速なシ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 4
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 8
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中