最新記事

株の基礎知識

円安の今こそ買いたい銘柄は「円安じゃなくても」の日本企業

2022年11月18日(金)06時25分
千葉 明 ※かぶまどより転載

例えば、配当性向60%を掲げるファナック<6954>。FA用NC旋盤で世界首位、かつ産業用ロボット・小型マシニングセンタでも世界で屈指の存在。前期(3月期)「33.0%増収、62.9%営業増益、65.2%最終増益」、今期も「12.6%の増収、7.7%の営業増益、7.0%の最終増益」の計画。そして、FAセンサーなど検出・計測制御大手のキーエンス<6861>。前期(3月期)は「51%増収、51%営業増益」、そして今期も「過去最高益更新」計画。売上高営業利益率55.4%。武器は、日本市場と同様の「当日出荷」。半導体不足など部材不足の中でそれを可能にしているのが、取引先企業のニーズを把握しきっている営業力。

さらに、復興感を強めるキヤノン<7751>。前期の155.0%営業増益に続き、今期計画も第1四半期開示と同時に「27.7%増」に上方修正。海外比率は10%台だが、ミナトホールディングス<6862>なども興味深い。産業用メモリー・デバイスプログラマー・ATM用タッチパネルが3本柱。M&A戦略で巧みに成長街道を駆け上がってきている。

広くその名が知られる著名企業ばかりではない。朝日インテック<7747>は、循環器系治療のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルが順調。非循環器系でも末梢神経系・腹部血液管系が好調。国内はやや足踏みも米国で非循環器系が伸長している。トレックス・セミコンダクター<6616>は、車載や産業機械向けに強みの電源ICのファブレスメーカー。傘下にパワー半導体の受託製造企業を有す。前期には計3回の上方修正をした点は、記憶に新しい。

前期段階ですでに円安効果が顕著に見受けられ、今期も増益計上の企業を探すのがポイントになりそうだ。JUKI<6440>は株価700円出入りで、予想配当利回りは4%前後。8万円ほどで株主になれる。イビデン<6440>の株価は4,600円台。レジストなど半導体材料が主体のJSR<4185>。特殊黒鉛で世界シェア30%と首位の東洋炭素<5310>。エフ・シー・シー<7296>はクラッチ専業、二輪で世界首位で配当利回り2.9%。いずれも関心を持って然るべき銘柄と言える。

円安で「爆買い」の再来なるか

ところで、政府の「水際対策の緩和」と相まって、「円安によるインバウンド買い」が盛り上がり始めている。

(参考記事)株式市場の需給を支える「信用取引」 その始まりはGHQだった

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注

ワールド

ゼレンスキー氏、米特使らと電話会談 「誠実に協力し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中