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運動が三日坊主で終わるのは、脳のメカニズムのせい。習慣化のコツは「日常動作」に

2022年6月24日(金)10時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

一日ひとつでも毎日繰り返すことで、脳が指示を出す新ルートができ上がっていきます。これまでの習慣と同じように身につくまでは、約40時間かかるといわれています。朝、15分ウォーキングをするとして、160日です。長い時間かけて身につけた不調を招く習慣よりも、健康習慣を優先させるにはそれなりの時間がかかるもの。だからこそ180度がらりと生活を変えるようなことではなく、日常動作のなかでできそうなこと、体にとって心地よさそうなことから始めてください。

嫌々だったことでも、何度も繰り返すことでやらないと気持ち悪いくらいになっているはずです。さらに400日続けていけば「~しなければ」という使命感ではなく、歯磨きのように無意識についやっている状態になるといわれています。

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イラスト:中村知史 『運動未満で体はととのう』60ページより

一定周期で細胞は入れ替わる。何歳になっても体は変えられるのです

私たちの体は約37兆個の細胞でできています。細胞にも寿命があり、毎日少しずつ入れ替わっているのです。新しい細胞が生まれ、排出されるまでの入れ替わりを「新陳代謝」と呼びます。「肌のターンオーバー」がイメージしやすいでしょう。肌は約1カ月で生まれ変わるといわれていますが、ほかの臓器でも新陳代謝が行われ、定期的に入れ替わっています。それぞれの機能を維持するために、新しいものに交換していくのです。

肌は約1カ月ですが、細胞が入れ替わる周期は部位によって異なります。諸説ありますが胃腸は3~5日、血液と筋肉は3~4カ月、骨は6~12カ月かかるといわれています。細胞は私たちが気づかないうちに破壊と再生を繰り返し、外的変化に適応できる体を維持してくれています。

年齢を重ねると、なにかと年のせいにしてあきらめがちですが、細胞レベルで常に新しくなっているのであれば、やってみようという意欲がわいてきませんか?

入れ替わるスピードは個人差がありますし、加齢とともにスピードは遅くなっていきます。新陳代謝の周期が長くなればなるほど古い細胞が残り、老化へとつながります。また、新しく生まれる細胞よりも寿命を迎える細胞が多くなれば、イキイキと過ごせる体を保てません。

正常な周期を保つためには、体を動かすことです。細胞は寝ているときでも、体調が悪いときでも休むことを知りません。安静にして動きを止めてしまうことは、回復を遅らせることになります。

運動未満の日常動作でも動き続けることで、細胞から調子を上げていきましょう。今日の動きが、3カ月後の筋肉の生まれ変わりにつながると考えたら、ワクワクしませんか。確実に体は変わりますので、まずは行動です!

※第2回はこちら:痛みやこり、体の不調で整骨院に来る人の共通点は、体の「前面」しか使えていないこと

運動未満で体はととのう
 長島康之 著
 主婦の友社

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