ニュース速報
ビジネス

FRBミラン理事「物価は再び安定」、現行インフレは経済需給動向反映せず

2025年12月16日(火)01時04分

写真は米連邦準備理事会(FRB)のミラン理事。米ニューヨーク証券取引所(NYSE)のフロアで11月撮影。REUTERS/Brendan McDermid/File Photo

Howard Schneider

[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のミラン理事は15日、FRBの2%目標を上回る現行のインフレ率は、根本的な需給動向を反映していないとの認識を示した。「物価は再び安定している」とし、実際の物価上昇率は目標に近い水準で推移しているとした。

ミラン氏はコロンビア大学での講演資料で、住宅関連のインフレ要因は賃料上昇の継続的な伸び鈍化を反映していないと主張。「測定された過剰なインフレは、現在の需給動向を反映していない。住宅インフレは、現在ではなく、2─4年前に発生した需給不均衡を示唆している」とし、「金融政策のタイムラグを考慮すると、2022年ではなく27年を見据えた政策を策定する必要がある」と述べた。

また、これらの要因を除けば、「基調的なインフレ率は2.3%を下回り、FRBの目標の誤差の範囲内にある」と指摘。「不必要に引き締め的な政策を維持すれば、雇用喪失につながるだろう」と述べた。

一方ミラン氏は、現在の財(モノ)のインフレ上昇を引き起こしている要因が何か分からないとし、インフレがコロナ禍前よりも高い水準で「定着しつつある」ほか、米国世帯は依然として、足元のインフレに当然ながら苦しんでいるとの懸念も示唆。

同時に、「物価は高い水準ではあるものの再び安定しており、政策にこれを反映させるべきだ」との見方を改めて示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ハセット氏のFRB議長候補指名、トランプ氏周辺から

ビジネス

FRBミラン理事「物価は再び安定」、現行インフレは

ワールド

ゼレンスキー氏と米特使の会談、2日目終了 和平交渉

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 6
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 7
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 8
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中