最新記事

コミュニケーション

人がSNS中毒になる理由は「反応の遅さ」と「ギャンブル的要素」

2019年8月10日(土)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Milatas-iStock.

<「居場所」であるはずのSNSに、なぜ人は依存してしまうのか。コミュニケーション術の専門家が教える「居心地のよい居場所」のつくり方>

生きていくためには、人間関係で悩む必要がない、居心地のよい居場所が必要だ。それはリアルな場であろうがSNSであろうが関係ない。そして、そんな居場所を確保するためのコミュニケーション方法は「インプロ」を通して学ぶことができる――。

そう主張するのが、『自分の居場所はどこにある?――SNSでもリアルでも「最高のつながり」の作り方』(CCCメディアハウス)の著者、渡辺龍太氏だ。インプロとは、即興演劇がベースになったコミュニケーション術を指す。

人はなぜ、SNS中毒になってしまうのか。SNSに「居場所」を求めたはずなのに、なぜネットでのコミュニケーションに疲れてしまうのか。

ここでは『自分の居場所はどこにある?』からSNSでの居場所づくりのコツを一部抜粋し、2回に分けて掲載する。

2回目となる今回は、SNSを居場所にするためにどんなことを発信すればいいか、どんなことを発信すべきでないか、そして「依存」しないために何に注意すべきかについて。

※第1回:「正義感」と「偽物の人」に注意! SNSを居心地のよい場にする方法

◇ ◇ ◇

人のためになる発信をする

では、SNSを居場所とするために、具体的にどんなことを発信したらよいのかというと、人が読んで役に立つ情報です。SNSの利用に長けている人は、明快な自分のキャラクターを構築し、フォロワーがどんな人であるかを分析した上で、彼らが求めているような情報を定期的に発信していきます。

しかし、普通はそんなことは考えないので、そう簡単にはできません。そもそもSNSをビジネスで利用するのではなく、居場所をつくりたいという動機だけであれば、そこまでする必要もありません。それでもSNSを居場所としたいという人には、日常的な事柄や愚痴を、人が読んでためになる情報に変換して発信することをおススメします。

たとえば、「今日は、奮発しました!」という一言とともに高級肉を食べている自撮り写真を投稿していても、単に「いいな〜」と思われるか、逆に「自慢してて痛い人だな」と思われるくらいです。

しかし、「〇〇牛というのが、本当に美味しいと聞いたので、その専門店で、ついにお肉にありつけました。美味しいです! 〇〇牛は高いといっても、他の超有名なお肉よりは安いですし、お肉好きな人は一度は試したほうがよいですよ!! 」と書き込んだら、それが仮に自慢であったとしても印象は大きく変わります。それは少なくとも、お肉好きにとっては参考になって役に立つ情報を発信しているからです。読み手にとってアイデアを出されたり、読み物として面白くなければ、日記や愚痴はそれ以上にも以下にもなりません。

インプロでは、他人に対して自分のアイデアをぶつけることを『オファー(提案)』と言います。SNSで見ている人が役に立つ情報を「どう思いますか?」というかたちで提案するというイメージです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

香港火災の死者128人に、約200人が依然不明 報

ビジネス

仏GDP、第3四半期確報は前期比+0.5% 速報値

ワールド

東南アジアの洪水、死者183人に 救助・復旧活動急

ビジネス

電気・ガス代支援と暫定税率廃止、消費者物価0.7ポ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中