最新記事
投資

2019年の相場は「小幅な値動き」? 過去の亥年の日経平均を振り返ると...

2019年2月19日(火)06時50分
網代奈都子 ※株の窓口より転載

1983年(昭和58年)――バブルが始まる3年前

kabumado190108-chart4.png

・年始の終値=8,021.40円
・年末の終値=9,893.82円 +1,872.42円(+23.34%)

年始から年末にかけて日経平均はおおむね右肩上がり。年始から年末までの値上がり率は23.34%。「小幅な値動き」どころか「超順調」な一年でした。

【1983年の話題・流行】
東京ディズニーランドが開園し、一方で、伝説となったNHK朝ドラ『おしん』が放映された年でもあります。ちなみに『現代用語の基礎知識』が発表する新語・流行語大賞は、翌年の1984年にスタート。

1971年(昭和46年)――ニクソン・ショック

kabumado190108-chart5.png

・年始の終値=2,001.34円
・年末の終値=2,713.74円 +712.40円(+35.60%)

ひと目で8月の大暴落がわかります。これは、米ニクソン大統領がドル紙幣と金との交換停止を発表したことによる世界的な株式市場の混乱「ニクソン・ショック」によるものです。日経平均も一時は大きく値を下げましたが、年末には一気に回復。とても「小幅な値動き」とは言えない一年でした。

【1971年の話題・流行】
マクドナルドの日本1号店が銀座に開店(7月20日)。日清食品の「カップヌードル」が発売(9月18日)された年でもあります。第二次ベビーブームの先駆けの年であり、その子どもたちがいわゆる「団塊ジュニア」ですね。

1959年(昭和34年)――絶好調の岩戸景気

kabumado190108-chart6.png

・年始の終値:671.28円
・年末の終値:874.88円 +203.60円(+30.33%)

戦後の高度成長期の中でも特に長く続いた「岩戸景気」(1958年7月~1961年12月)の真っ最中だったこの年。その好景気ぶりを表すように、年始からきれいな右肩上がりです。年末にはやや下げたものの、それでも年始との比較では+30%を超える値上がりとなっています。

【1959年の話題・流行】
当時皇太子だった現在の天皇陛下と美智子皇后が結婚(4月10日)、ミッチーブームが最高潮に達しました。

固まっている場合じゃない

サブプライムローン崩壊の序曲がすでに始まっていた2007年、国難と円高に泣いた1995年、順調すぎる右肩上がりの1983年、ニクソン・ショックも年末には回復の1971年、岩戸景気とロイヤルウエディングに沸いた1959年......

過去5回の亥年の日経平均株価を見てみると、まったく固まっていなかったことがわかりました。アノマリーとしての「亥固まる(値動きは小幅)」が成立しているのも1995年だけと、なんとも微妙な結果です。

小幅な値動きも大幅な値動きもどちらも乗りこなすために必要なのは、「法則らしきもの」に頼ることなく自分自身で確固とした投資判断を下すことでしょう。

[筆者]
網代奈都子(あじろ・なつこ)
30代OL。仕事のかたわらトレードを行っており、そのスキルを磨くべく日々勉強中。目下の目標は年間の利益100万円。安定した利益を出し、ペット可物件に引っ越すのが夢。

※当記事は「株の窓口」の提供記事です
kabumado_logo200new.jpg

※当記事は2019年1月8日にアップした記事の再掲載です。

ニューズウィーク日本版 トランプvsイラン
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月8日号(7月1日発売)は「トランプvsイラン」特集。「平和主義者」の大統領がなぜ? イラン核施設への攻撃で中東と世界はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック最高値更新、貿易交

ワールド

G7外相、イスラエル・イラン停戦支持 核合意再交渉

ワールド

マスク氏、トランプ氏の歳出法案を再度非難 「新政党

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで約4年ぶり安値、米財政
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 8
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 9
    自撮り動画を見て、体の一部に「不自然な変形」を発…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中