ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで約4年ぶり安値、米財政赤字拡大懸念

2025年07月01日(火)06時07分

ニューヨーク外為市場では、米国の財政赤字拡大に対する懸念のほか、米政府が進める主要貿易相手国・地域との通商交渉を巡る不透明感を背景に、ドルが対ユーロで約4年ぶりの安値を付けた。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

(見出しの重複を削除して再送しました)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国の財政赤字拡大に対する懸念のほか、米政府が進める主要貿易相手国・地域との通商交渉を巡る不透明感を背景に、ドルが対ユーロで約4年ぶりの安値を付けた。

米上院共和党はトランプ大統領が掲げる包括的な税制・歳出法案の審議を進めており、この日に多数の修正案について採決を行う予定。同法案で米国の債務が3兆3000億ドル押し上げられると予想され、党内で意見が分かれているものの、可決に向けて取り組む方針を示している。

クラリティFX(サンフランシスコ)のエクゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「大規模な歳出法案が成立するか、大きく注目されている」と指摘。「ドルは下落基調にあるが、今年も半ばを過ぎた時点でスウェーデンクローナ、スイスフラン、ユーロが大きな勝ち組になっている。ユーロは欧州連合(EU)が大規模な支出法案を発表した後に形勢が好転した」と述べた。

マネーコープ(ニュージャージー州)の北米ストラクチャリング部門責任者、ユージン・エプスタイン氏は「米国の財政赤字が大幅に拡大するとの懸念を背景にドルが下落する中、関税協議を巡る不透明感が継続している」と指摘。「トランプ政権が掲げる包括的な税制・歳出法案のほか、関税を巡る協議やイランとイスラエルの紛争など、1つの問題が通過すると次の問題に焦点が移り、まるで椅子取りゲームのように物事が回っている」と述べた。

ユーロ/ドルは1.1780ドルと、2021年9月以来の高値を更新。終盤の取引では0.45%高。月初からは約3.8%、年初からは約14%上昇している。

ドル/円は0.36%安の144.45円。月初からはほぼ横ばいとなる見通し。

主要通貨に対するドル指数は0.35%安の96.86。月間ベースでは6カ月連続で下落し、半期ベースでは1970年代以来の軟調さとなる見通し。

ドル/円 NY午後4時 144.02/144.04

始値 144.18

高値 144.51

安値 143.97

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1779/1.1781

始値 1.1724

高値 1.1786

安値 1.1708

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ憲法裁、首相の職務停止 軍批判巡る失職請求審理

ワールド

ロシア、ウクライナ東部ルハンスク州全域を支配下に 

ビジネス

仏ルノー、上期112億ドルの特損計上へ 日産株巡り

ワールド

マスク氏企業への補助金削減、DOGEが検討すべき=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中