最新記事

キャリア

人生がうまくいかないとき、質問してはいけない相手は...

2018年9月13日(木)16時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「考えを促す」「新たな視点を与えてくれる」質問の力

自分の心と対話するための一番の方法が、自分に質問することだと河田氏は言う。なぜなら、「昨日の夕飯は何を食べた?」と質問されると自然と答えを探してしまうように、質問をされると考える、という習性が人にはあるからだ。

このように質問には「考えを促す」という力がある。だから、たくさん自問をすることで考えることがうまくなり、自分で答えを見つけられるようになる、というわけだ。

同時に「いい質問は、いい答えを導き出す」。脳科学者によれば、人は無意識を含めて、1日に2万回も自問を繰り返しているそうだ。「質問家」として日々多くの人に質問している河田氏でも、自分自身に質問するほうが圧倒的に多いという。その質問の質が良くなれば、当然、答えの質も良くなる。

また、質問には「新たな視点を与えてくれる」という力もある。

例えば「なぜ仕事がうまくいかないのだろう?」と考えても、なかなか答えは出てこない。それどころか「自分のここがダメだから......」などと自己嫌悪に陥って、だんだんやる気も自信も失っていく。だが、これは「誰にでもある思考の限界」だ。

そこで落ち込んでしまわずに、自分に問いかける質問を変えるように河田氏は勧める。例えば「どうすればうまくいくだろう?」と自問してみる。すると、「こうしてみよう」「あれをしてみよう」と何かしらの解決策が浮かんできて、気持ちも明るくなっていく。

そうした良質な質問のレパートリーを持っていれば、簡単に視点を変えられるようになる。「どう考えるか」を変えれば、当然、出てくる答えも変わる。そこから人生が変わっていくかもしれない。

そんなに簡単にうまくいくものだろうかと疑問に思う人もいるだろうが、実際、河田氏が質問すると、悩みを抱える人や何かを叶えたい人も、自分自身で答えを見つけ出し、驚くような成果を出していくという。河田氏は質問しているだけなので、やはりすごいのは「質問」なのだ。


 人生は、どんな質問を自分に投げかけているかでできているといっても過言ではない。自分の思考を整理し、時には見えていないものを見せてくれる上質な質問を自分に投げかけよう。(36ページ)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米がロシア石油大手2社に制裁、即時停戦要求 圧力強

ワールド

ルビオ米国務長官、今週イスラエル訪問 26─30日

ビジネス

マクロスコープ:ソフトバンクG株「持たざるリスク」

ビジネス

マクロスコープ:ソフトバンクG株「持たざるリスク」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中