最新記事
日本企業

グーグル出身の学生の心を打った2つの日本企業...日本企業がハーバードでも評価される理由とは?

2025年10月8日(水)09時30分
佐藤智恵(作家・コンサルタント)
トヨタの工場

トヨタのケースは独自の生産方式のほか、「人間味あふれるエピソード」で多くの学生の記憶に残る つのだよしお/AFLO

<ハーバードビジネススクールでは、実際の事例として複数の日本企業が取り上げられている。なぜ日本企業はアメリカ人学生の心を打つのか>

米ハーバードビジネススクール(ハーバード大学経営大学院)では、実際の企業の事例が「ケース」と呼ばれる教材として授業で取り上げられる。その中で、複数の日本企業のケースも長く愛用されてきた。

米グーグル出身の学生、オースティン・レガラドも、こうした授業を経験した1人。そんな彼には忘れられない2社の日本企業の事例がある。彼がそれらの事例から学んだものは何だったのか、なぜこの2社が印象深かったのか......。

作家・コンサルタントの佐藤智恵が話を聞いた。

◇ ◇ ◇



佐藤 ハーバードビジネススクールの1年目の必修科目で学んだ日本企業の事例の中で最も印象に残ったのはどの企業の事例でしょうか。

レガラド 1年目の必修科目で学んだ日本企業の事例の中では、新幹線車両清掃の専門会社、JR東日本テクノハートTESSSEI(テッセイ)とトヨタ自動車の事例が最も記憶に残っています。

その理由は、この2社の事例が、どうすればオペレーショナル・エクセレンス(オペレーションの効率や生産性の向上を追求することによって競争優位性を構築すること)を実現できるのかを示してくれたことです。「オペレーショナル・エクセレンスは、ただ効率を高めたり、コストを削減したりするだけでは達成できない。従業員や顧客など、その企業に関わる人たち、一人ひとりの人間性を尊重することによって、初めて実現できるものなのだ」ということをこの2社から教えられ、心から共感しました。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国大手銀行、高利回り預金商品を削減 利益率への圧

ワールド

米、非欧州19カ国出身者の全移民申請を一時停止

ワールド

中国の検閲当局、不動産市場の「悲観論」投稿取り締ま

ワールド

豪のSNS年齢制限、ユーチューブも「順守」表明
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 5
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中