最新記事
起業家

ときめく仕事探しをサポート、米大学教授が見たウォンテッドリーの仲暁子CEO

AKIKO NAKA

2025年7月31日(木)16時35分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)
仲暁子CEO

1日16時間漫画を描いていた時期もあったという仲暁子CEO COURTESY OF WANTEDLY

<ゴールドマン・サックス証券を辞め、漫画家を目指し1日16時間漫画を描いていた時期もある異色の経歴を持つ女性起業家が日本の採用プロセスを変える>

転職・採用を支援するビジネスSNSウォンテッドリーの仲暁子CEO(40)は、間違いなく大器早成型だ。2017年に同社をマザーズ市場に上場させたときは32歳で、日本の女性起業家として最年少という記録を打ち立てた。

同じ年にシンガポールでもサービスを開始。20年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズの1人に選ばれた。


だがそこに至るまでには、多くの試行錯誤があった。小学校や高校時代を過ごした外国では、言葉にも苦労した。

「言葉が通じないことがひどくもどかしかった」と、仲はあるインタビューで振り返っている。毎日新しい英単語を10個覚えるノルマを自ら課し、単語帳がボロボロになるまで勉強したという。

経営者としての仲は、ビジネス系著述家ダニエル・ピンクの熱烈なファンだという。ピンクによれば、人間のモチベーションは自主性(自分でやりたい)、熟達性(このスキルをマスターしたい)、そして目的意識の3つの要素からなる。

仲はこれをウォンテッドリーの経営に取り入れてきた。例えば、同社の名刺には大きな余白が設けられていて、社員はここに自分の好きな言葉を入れることができる。仲の場合、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公の有名なセリフが入っている。

意外に思うかもしれないが、仲は真剣に漫画家になろうとしていた時期がある。京都大学経済学部を卒業後に就職したゴールドマン・サックス証券を2年で辞めると、北海道に引っ越して、1日16時間漫画を描き続けたというのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人

ワールド

プーチン氏、対ウクライナ姿勢変えず 米制裁期限近づ

ワールド

トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命令 メ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 8
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    ニューヨークで「レジオネラ症」の感染が拡大...症状…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中