米航空会社、プレミアムシートに注力「年収10万ドル以上の米国の家計の財政状況は健全」
7月18日、米国の航空会社は、収益を拡大し景気変動による影響を小さくとどめるため、新型コロナ禍後にビジネスクラスなどプレミアムシートへの投資をさらに増やした。写真はニューヨークのJFK空港に駐機中のデルタ機。4月撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)
米国の航空会社は、収益を拡大し景気変動による影響を小さくとどめるため、新型コロナ禍後にビジネスクラスなどプレミアムシートへの投資をさらに増やした。
この戦略は奏功しており、旅行需要全般が落ち込む中でもプレミアムシートを提供する航空会社の利ざやは堅調を保っている。価格に敏感な顧客の支出が減った分を、富裕層の力強い需要が相殺している形だ。
デルタ航空は10日、第2・四半期にプレミアムシートの売上高が前年同期比5%増えたのに対し、エコノミークラスは5%減ったと発表した。10%ポイントという両者の差は新型コロナ禍以降で最大。プレミアムシートの増収が貢献し、第2・四半期の利ざやは2桁台を達成した。
ユナイテッド航空も第2・四半期、旅客収入全体が1.1%増にとどまったのに対し、プレミアムシートの収入は5.6%も増え、業績を支えた。
トランプ米大統領の関税措置による景気後退懸念が広がり、旅客機予約が打撃を被った第1・四半期にも同様の傾向が見られていた。
プレミアムシートの堅調な需要について航空業界幹部らは、航空旅行支出の75%を占める年収10万ドル以上の米国の家計の財政状況が健全だからだと説明している。
デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は10日、「わが社の中核的顧客は健全な状態にあり、引き続き旅行を優先している」と述べた。
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