ときめく仕事探しをサポート、米大学教授が見たウォンテッドリーの仲暁子CEO
AKIKO NAKA
1日16時間漫画を描いていた時期もあったという仲暁子CEO COURTESY OF WANTEDLY
<ゴールドマン・サックス証券を辞め、漫画家を目指し1日16時間漫画を描いていた時期もある異色の経歴を持つ女性起業家が日本の採用プロセスを変える>
転職・採用を支援するビジネスSNSウォンテッドリーの仲暁子CEO(40)は、間違いなく大器早成型だ。2017年に同社をマザーズ市場に上場させたときは32歳で、日本の女性起業家として最年少という記録を打ち立てた。
同じ年にシンガポールでもサービスを開始。20年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズの1人に選ばれた。
だがそこに至るまでには、多くの試行錯誤があった。小学校や高校時代を過ごした外国では、言葉にも苦労した。
「言葉が通じないことがひどくもどかしかった」と、仲はあるインタビューで振り返っている。毎日新しい英単語を10個覚えるノルマを自ら課し、単語帳がボロボロになるまで勉強したという。
経営者としての仲は、ビジネス系著述家ダニエル・ピンクの熱烈なファンだという。ピンクによれば、人間のモチベーションは自主性(自分でやりたい)、熟達性(このスキルをマスターしたい)、そして目的意識の3つの要素からなる。
仲はこれをウォンテッドリーの経営に取り入れてきた。例えば、同社の名刺には大きな余白が設けられていて、社員はここに自分の好きな言葉を入れることができる。仲の場合、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公の有名なセリフが入っている。
意外に思うかもしれないが、仲は真剣に漫画家になろうとしていた時期がある。京都大学経済学部を卒業後に就職したゴールドマン・サックス証券を2年で辞めると、北海道に引っ越して、1日16時間漫画を描き続けたというのだ。





