問題が起きた時、「すぐに対応する」が会社を危うくするワケ...組織を強くする「ネガティブ」の力とは

2025年7月25日(金)17時42分
flier編集部

たとえば、「ネガティブ・ケイパビリティが大事」と唱えても、相手に関心がなければ響きません。信念を伝え続けることも大切ですが、同時に「相手の関心は何だろう?」と問いを立てる必要があります。相手の文脈の中で「実はこの考え方が役に立つ」と伝えていく。もしくは、相手の悩みに伴走し、「実はこれはネガティブ・ケイパビリティの考え方がベースなんです」と、後で種明かしをするのも手だと思います。

とはいえ、手探りでやるのは大変ですよね。そこで、私たちあまねキャリアでは、ビジネスパーソン、中間管理職、経営層、部門ごとの関心キーワード整理し、関連性を可視化したマップを用意しています。「バリューサイクル・マネジメントマップ」です。これを使うことで、「この人にはこの言葉が刺さりそう」と、相手に寄り添った対話がしやすくなります。


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沢渡さんの書籍より「健全な組織のバリューサイクル」

──たしかに、一口に「エンゲージメント」といっても、刺さる部署とそうでない部署がありますよね。

そうですね。たとえば、現場の管理職が人材が定着しないことに困っていたら、採用の課題解決の文脈で、「働く意味が見えづらいことも影響しているかも?」などと対話のきっかけをつくってみる。そこから、「今のやり方とともに私たちの本来価値を見直していこう」という話につなげるのです。

経営層に対しても同じです。たとえば、経営層にイノベーションを求められても、現場は「予算も時間もない」と抵抗するかもしれない。それなら、「まずは余白をつくって、社内外とつながり、イノベーションの種を育てていきませんか?」などと経営層に提案し、対話してみる。そのプロセスこそがネガティブ・ケイパビリティの発揮だと思います。

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