問題が起きた時、「すぐに対応する」が会社を危うくするワケ...組織を強くする「ネガティブ」の力とは
まずは、デザイナー職などのこれまでにない職種を積極的に採用し、3Dプリンターなどの設備投資をして、新たな価値創造を目指しました。つづいて、会社のビジョン・ミッション・バリューを社員と一緒につくっていった。
さらに面白い取り組みは、「観察日誌」と呼ばれる社内チャットです。これは、自分たちの缶をお客さまがどんな表情で手に取っているか、といった気づきを社員が自由に書き込む場。自分たちの仕事と社会とのつながりを共有する文化を育てていきました。
側島製罐さんのように、既存の方法にこだわらず、新しいカラーや能力を持った人たちを迎え入れ、一緒に価値をつくっていく。この姿勢は、ネガティブ・ケイパビリティを発揮した組織のお手本といえます。
相手のキーワードを見つけて、飛び込む
──ネガティブ・ケイパビリティのような考え方を、経営層が「理想だけど、うちでは余裕がない」などと受け止めてしまうこともあると思います。そんなとき、人事やマネジメント層はどう動くとよいでしょうか。
これはネガティブ・ケイパビリティに限らず、あらゆるテーマで共通する「組織内でどう合意形成していくか」という話だと思っています。大事なことは、「相手のキーワード」を見つけて、そこに飛び込むこと。





