問題が起きた時、「すぐに対応する」が会社を危うくするワケ...組織を強くする「ネガティブ」の力とは
一方、自己否定とは、「この部分は変えた方がいいんじゃないか」と、自らを健全に疑い、変化することを意味します。
自己肯定と自己否定は、ポジティブ・ケイパビリティとネガティブ・ケイパビリティとも言い換えられ、その両輪を回すことも、「両利きの経営」といえると考えています。

「越境」が自社を「メタ認知」するためのカギ
──この両輪を回すために、マネジメント層や人事担当者は、どんな実践をするとよいでしょうか。
自分たちをメタ認知する機会が必要で、その原動力になるのが「越境」です。越境はさまざまな方法があります。異なる企業の人と学ぶ、出向する、副業、兼業、パラレルキャリアを経験する、などです。日常的に外の風が入るようにすれば、自分たちの状況を客観視し、健全な違和感を持ちやすくなります。違和感をきちんと言語化して、振り返るのです。
──こうした実践を組織として重視して成功している事例はありますか。
はい。愛知県にある中小企業の側島製罐株式会社を紹介したいと思います。同社は、大量生産型ではなく、ギフトやアミューズメントグッズ向けの高付加価値な缶を、少量多品種で製造している会社です。6代目となる石川貴也さんは、政策金融機関での勤務を経て家業に戻った跡継ぎ社長。就任当初は、業績も社員のモチベーションも下がっていて、危機感を持たれたそうです。そこで彼は、社員を信じる組織へと舵を切りました。





 
 
 
 
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     












