米FRBタカ派幹部、利下げに異議 FRB内の慎重論が浮き彫り
 
        	米ダラス地区連銀のローガン総裁は31日、米連邦準備理事会(FRB)は週内に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げすべきではなかったとし、次回12月会合でもすべきではないとの見解を示した。写真はFRBビル。ワシントンで9月撮影(2025年 ロイター/Aaron Schwartz)
Ann Saphir Howard Schneider
[サンフランシスコ/ワシントン 31日 ロイター] - 複数の米地区連銀総裁が31日、米連邦準備理事会(FRB)が今週28─29日に開催したFOMCで25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定したことに異議を唱えた。労働市場は支援を必要としておらず、インフレも高すぎるため利下げは正当化できないとした。
米ダラス地区連銀のローガン総裁やカンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁らの驚くほど率直な発言は、政策の方向性に対するFRB内の不安を浮き彫りにし、経済に劇的な変化がない限り、 次回12月9─10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げのハードルが上がることを示唆している。パウエルFRB議長にとっても、任期の残り6カ月でFRB内部の大きな溝を越えて政策に関する合意を形成することがいかに難しいかを示している。
ローガン総裁は31日、ダラス連銀の銀行カンファレンスで行った講演原稿で、FRBは今週のFOMCで利下げすべきではなかったとし、次回12月会合でもすべきではないとの見解を示した。労働市場は「均衡」しており直ちに支援を必要とする状況にないほか、インフレ率がFRB目標の2%を上回る水準で長期間にわたり高止まりする可能性があることを理由とした。
「今回の経済見通しから、利下げは必要とされていない」と指摘。「今週(FOMCでの)利下げの必要性は感じていない。インフレ率が予想よりも急速に低下するか、労働市場がより急速に冷え込むという明確な証拠がない限り、12月の追加利下げは難しいだろう」と述べた。
FRBの政策担当者が、次回会合のかなり前から、これほど明確に金利の推移の希望を述べることは極めてまれだ。
FRBのパウエル議長は29日、FOMC後の会見で、 「12月会合での利下げ決定は既定路線ではない。政策はあらかじめ定められた軌道に乗っているわけではない」と異例の明確な警告を発した。同時に、差し迫った利下げを見送る用意のある当局者が増えているとも指摘。9月の会合に続き今回も利下げを決定したものの、一部の当局者の間で当面は様子を見たいという心理が出ているとの認識を示した。
この日のローガン氏の発言はその理由を示すものだ。
ローガン氏は「労働市場に対するリスクは主に下振れ方向にある」とし、企業による最近の一時解雇(レイオフ)の発表を注視していると言及。しかし、「雇用に対する残存リスクは、われわれが注意深く監視し、それが顕在化する可能性が高まった場合に対応できるものである」とし、現時点でさらなる先制措置を必要とするものではないとの見方も示した。また、インフレ率は危機的な水準には至っていないものの、依然として高すぎ、FRBの目標である2%に回帰するペースが遅すぎるとも指摘した。
ローガン氏は今年、FOMCで投票権を持たない。
米クリーブランド地区連銀のハマック総裁もこの日の発言で、インフレはなお高すぎるため利下げに反対していたと明らかにした。
ハマック氏は現在の政策金利について、金融引き締めはほとんど、あるいは全く行っていない水準だとの認識を表明。「インフレ率を目標水準まで引き下げるためには、ある程度の金融引き締めを維持する必要があると考えている」とした。
ローガン氏と同様、ハマック氏も今年は投票権を持たないが、来年は両氏とも投票権を持つ。
一方、シュミッド総裁は31日、高インフレが継続し、物価圧力が経済に広がりつつある兆しが見られる中で利下げを実施すれば、物価安定に対するFRBの信認が損なわれる恐れがあると考え、今週の決定会合で利下げに反対票を投じたと述べた。シュミッド氏は金利据え置きを主張していた。
シュミッド氏は利下げに反対した理由を説明する文書で、個人消費や設備投資が堅調であることを踏まえると、労働市場に弱さがあるとすれば、基調的な需要の問題ではなく、むしろ技術革新や人口動態の構造的変化が要因になっている可能性が高いと指摘。「政策金利を0.25%ポイント引き下げても、労働市場で見られているストレスに対応する効果は大きくないと考えている」とし、FRBが掲げる2%の物価目標へのコミットメントに疑いが生じれば、利下げによるインフレに対する影響が長引く恐れがあるとした。
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で「利下げ決定は既定路線ではない」と発言したことを歓迎。これは、政策金利の道筋に関する予想を示すために議長が事前に用意された表現を用いたまれな事例であり、そうでなければ明らかにならなかった可能性がある。ボスティック氏は「議長の発言は委員会の幅広い見解をかなり正確に反映しており、その情報は公表される必要があった」と述べた。
ボスティック氏は今年ほとんどの期間、FRBは今年1回利下げするだけで十分だと考えていたと述べている。ただ、今週の利下げについて、ボスティック氏は最終的には支持するとし、「なぜなら、金利は依然として引き締めの領域にあると考えているからだ」と説明した。その上で、「インフレが深刻な問題であることを忘れ去ることはできない。一歩一歩踏み出すごとに、政策金利は中立金利にどんどん近づいていく。それが私にとって不安なことだ」と述べた。
ボスティック氏が次に投票権を有するのは2027年となる。
金融市場は、パウエル議長の発言を受けて12月の利下げ期待を後退させたが、それでもFRBが今年最後のFOMCで25bpの利下げを行うとの見方が大勢を占めている。
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