最新記事
AI

孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活のシナリオとは?

MASAYOSHI SON

2025年7月4日(金)16時45分
クレイ・チャンドラー(フォーチュン誌アジア担当編集長)
孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活のシナリオとは?

ILLUSTRATION BY KYOJI ISHIKAWA FOR NEWSWEEK JAPAN

<転んでも立ち上がる。七転び八起きの投資家が狙う「次」。鍵を握るのは、AIインフラ構想「スターゲート」と、盟友アルトマンとの再タッグ。その先にあるのは...>

文字どおり鳴り物入りで始まったトランプ第2期政権。1月20日の就任式に(当時は有頂天だった)イーロン・マスクだけでなく、アップルのCEO(最高経営責任者)やアマゾンの創業者といったシリコンバレーの「リベラル系」大物まで出席していたのは、正直意外でもあった。

翌21日にも、意外な人物がホワイトハウスでトランプの「祝福」を受けた。日本のベンチャー投資家・孫正義だ。孫の率いるソフトバンクグループはこの日、米オープンAIやソフトウエア大手オラクルなどと組んで米国内に最先端のAIインフラを構築する「スターゲート」プロジェクトを発表し、総額5000億ドルもの投資を約束した。


オラクルのラリー・エリソン会長、オープンAIのサム・アルトマンCEOを従えて演壇に立った孫が、全米各地にデータセンターや研究施設のネットワークを構築するとぶち上げると、トランプは「わが友マサ」に惜しみない称賛を送ったものだ。

さらに孫は3月31日、オープンAIに対する最大400億ドルの追加投資を発表。日本で合弁事業を立ち上げ、日本市場向けのAI開発と販売を行うことでも合意している。

トランプ復権のタイミングに合わせて再び脚光を浴びた孫正義だが、これほど浮き沈みの激しい投資家はめったにいない。2022年には自ら率いる「ビジョン・ファンド」が5兆円を超える巨額損失を計上し、一時は破綻寸前にまで追い込まれている。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ブルガリアが来年1月ユーロ導入、換算レート決定 E

ワールド

中国、ドイツ軍機にレーザー照射 独外務省が非難

ワールド

ネパール・中国国境で洪水、数十人が行方不明 橋流出

ビジネス

台湾輸出額、2カ月連続で過去最高更新 米関税巡り需
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 10
    中国は台湾侵攻でロシアと連携する。習の一声でプー…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 8
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 9
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中