最新記事

仕事術

「∞プチプチ」なんてどう思いつくの? アイデア溢れる会議の秘訣はカプセルトイにあった

2023年5月19日(金)17時27分
flier編集部

よいアイデアは「記憶に焼きつくアイデア」

──高橋さんは『1日1アイデア』やVoicyでも、多種多様な本を紹介してくださっています。ご自身の人生や価値観に影響を与えた本について教えていただけますか。

1冊目は、仕事で非常に影響を受けた大好きな本、『アイデアのちから』です。

著者は、よいアイデアは「記憶に焼きつくアイデア」だと表現しています。記憶に焼きついたとしたら、その人は決して忘れないし、何らかのタイミングで行動に駆り立てられます。「あの本あったな」と覚えているから、書店でその本を見て購入するというように。

では記憶に焼きつくアイデアの条件とは何か。著者は、「単純明快である」「意外性がある」「具体的である」「信頼性がある」「感情に訴える」「物語性がある」の6つにまとめています。これはアイデアを選ぶ際の基準にもなります。

特に「単純明快である」と「意外性がある」は、色々なシーンで応用できます。商品開発でもSNS発信でも話題になるのは、趣旨が一言でわかり、かつ「その手があったか!」と思わせるものです。シリーズ累計820万部を突破した「うんこドリル」は、まさにその好例でしょう。

230518fl_itp05.jpg

アイデアのちから
 著者:チップ・ハース、ダン・ハース
 翻訳:飯岡美紀
 出版社:日経BP
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

次に影響を受けた本といえば、サイエンスライター鈴木祐さんの『最高の体調』。まず、現代人に特有の不調を「文明病」と表現するなど、言葉選びが秀逸なんです。流れるような文章で、一冊の本を読むという旅が、こんなにも楽しいものなのかと気づかせてくれました。この本では、自然にふれることの大切さが書かれていて、自然と一体化したいという気持ちが生まれました。いまでは自然のなかでの散歩が習慣になっています。

230518fl_itp06.jpg

最高の体調
 著者:鈴木祐
 出版社:クロスメディア・パブリッシング
要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

デール・カーネギーによるロングセラー『人を動かす』も、訳者の言葉選びがすばらしく、学びの多い一冊です。一例ですが、完全版では、「非難は、相手のプライドと自尊心を傷つけ、かえって反発を招く」といった趣旨の内容を、「蜂蜜が欲しければ、蜂の巣を蹴るな」という表現で端的に示しています。『1日1アイデア』の執筆で、言葉にこだわったのも、この本の影響が大きいですね。

230518fl_itp07.jpg

新装版 人を動かす
 著者:デール・カーネギー
 翻訳:山口博
 出版社:創元社
要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国の粗鋼生産、3月は前年比-7.8% 需要低迷で

ワールド

豪気象局、エルニーニョ終了を発表 ラニーニャ発生は

ビジネス

円安は是正必要な水準、介入でトレンド変わるかは疑問

ビジネス

米アップル、ベトナム部品業者への支出拡大に意欲=国
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 7

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中