最新記事

フィリピン

日本の元セクシー女優、フィリピンに遊びに行ったら人生が急展開した

2021年8月12日(木)17時05分
西谷 格(ライター)
小澤マリア

HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

<中華圏や東南アジアで高い人気を誇る小澤マリア。女優業を引退後、新宿・歌舞伎町でラウンジバーを経営しながらストリップダンサーとしても活動していたが、思わぬ転機が訪れた。大らかなフィリピンを愛し、愛されてきたその半生>

2021081017issue_cover200.jpg
※8月10日/17日号(8月3日発売)は「世界が尊敬する日本人100」特集。市川海老蔵、CHAI、猪子寿之、吾峠呼世晴、東信、岩崎明子、ヒカル・ナカムラ、菊野昌宏、阿古智子......。免疫学者からユーチューバーまで、コロナ禍に負けず輝きを放つ日本の天才・異才・奇才100人を取り上げています。

中華圏では今もセクシー女優の代名詞の1人として名が挙がり、東南アジアでも高い人気を誇る小澤マリア。2009年には中国の検索エンジン百度の「美女検索ランキング」で1位を獲得した。

「デビュー翌年の2006年にフィリピン旅行に行ったら、飛行機を降りた途端に人だかりができて。海外でも知られているんだと、うれしかった」

カナダ人の父を持ち英語は堪能。エキゾチックな顔立ちとスタイルを武器に、インドネシアでコメディー映画『ミヤビ誘拐』に主演。現地では「ミヤビ」の愛称で知られる。

2010年に女優業を引退すると、新宿・歌舞伎町でラウンジバーを経営しながら、ストリップダンサーとしても活動していた。転機は2015年に訪れた。

「知人のフィリピン人女性ニュースキャスターに誘われて、現地に遊びに行ったんです。そうしたら雑誌やラジオの取材を手配してくれて」

両国を行き来する日々が始まり、出演したアクションホラー映画『存在者』はメトロマニラ映画祭で話題になった。2016年に首都マニラに完全移住し、カジノ付きホテルで高級ラウンジを開業した。

順風満帆に見えるが、「フィリピンは何でもアバウト」で苦労も絶えなかった。

「でも日本と比べるのも良くないなと思って。そう考え直してからは、楽しくなりました」

2020年3月にコロナ禍でマニラがロックダウンされると、ラウンジを休業し、4月にいったん帰国した。現在は不定期で歌舞伎町のバーのカウンターに立つ。

今もマニラの自宅は出てきたときのまま。コロナ後に戻るかは分からないが、海外に住むとしたらフィリピン以外は考えていない。

過去の経歴ゆえ、低く見られることはフィリピンでもある。

「日本でも海外でも陰でクスクスいう人はいる。でもフィリピンのほうがオープン。過去があるから今があるのを知っている、応援したいと」

大らかなフィリピンを愛し、愛されながら、蝶のように時代を軽やかに飛んでいる。

Maria Ozawa
小澤マリア
●バー経営

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノボノルディスク肥満治療薬、睡眠障害など幅広い用途

ワールド

インドネシア国会、中銀の成長支援役割強化などで法改

ワールド

米FDA、イーライリリーやノボなどに警告書 医薬品

ワールド

インドネシア、EUと貿易協定で合意 来週署名へ=閣
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中