最新記事

経営

話題の心理的安全性、これがない会社の6つの特徴とは?

2023年2月28日(火)20時25分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載
心理的安全性

Pekic-iStock.

<Google社などでも提唱している概念「心理的安全性」は、なぜ重要なのか。心理的安全性の高い職場をどのように作れるのか>

「部署内でのコミュニケーションミスが多い」「会議が活発ではなく雰囲気が重苦しい」チームがそのような状態なのは心理的安全性が低下しているからかもしれません。

"心理的安全性"はGoogle社などでも提唱している概念で、チームの生産性を向上するための重要な概念です。本記事では心理的安全性についての概要と、心理的安全性が高い職場のつくり方について解説します。

【参考】「効果的なチームとは何か」を知る / Google re:Work

「心理的安全性」とは?

"心理的安全性"とは、他者からの否定や批判を受けず、安心して発言や行動ができるような環境や雰囲気を指します。このような環境では、会議などが活発になり、職場の風通しもよくなり、ビジネス上のアイデアも出やすくなります。

もともと心理的安全性とは、英語で"サイコロジカルセーフティ(psychological safety)"と呼ばれる心理学用語です。ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン教授により1999年に提唱されました。

【参考】 Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams / Amy Edmondson

従業員が自らの意見や考えを発言して間違えた際に、そのことで罰せられたり、屈辱的な仕打ちを受ける雰囲気になっていると心理的安全性は低下します。心理的安全性が低下すると、多くの従業員が発言を控えるようになり、コミュニケーションの密度が低下してしまうのです。

このような状態になってしまうと、以下のような弊害に繋がります。

・コミュニケーションミスの増加
・ビジネスアイデアの枯渇
・チーム力の低下
・従業員同士の軋轢の増加
・従業員のモチベーション低下
・組織に対する忠誠心の低下

このような状態に陥らないために心理的安全性が重要です。

なぜ今、心理的安全性が重要視されているのか

心理的安全性がビジネスシーンで注目されるようになった背景には、第一にGoogle社の影響が大きいです。

Google社は2012年から2015年までの4年間に「プロジェクト・アリストテレス」という試みを実施しました。このプロジェクトはさまざまな業務に携わるチームを多角的に分析し、生産性の高いチームと生産性の低いチームの特徴を明らかにしようというものです。その結果、心理的安全性が高いチームは生産性も高くなることがわかりました。

【参考】Guide: Understand team effectiveness / Google re:Work

次に心理的安全性が注目されたのは2020年に発生した新型コロナウイルスのまん延の際です。コロナ禍は人々の労働観や社会の仕組みに多大な影響をもたらしました。テレワークが一般化し、集団への帰属意識やコミュニケーションの希薄化という課題が持ち上がったのは記憶に新しいところでしょう。

このような集団への帰属意識の低下、コミュニケーションの希薄化による孤独感の増加、メンタル面での活力の低下なども心理的安全性が低い状態といえます。このような時代背景もあり、会社内での心理的安全性について注目が集まっているのです。


(参考記事)「最近の若者は...」と思ったら。世代間ギャップを埋めるためにすべきこと

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、米の半導体貿易政策を調査 「差別的扱い」 通

ワールド

アングル:米移民の「聖域」でなくなった教会、拘束恐

ワールド

トランプ氏、NATOにロシア産原油購入停止要求 対

ワールド

中国が首脳会談要請、貿易・麻薬巡る隔たりで米は未回
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中