米ロ首脳会談で、ウクライナ停戦への進展はあった? プーチンにとっては確実な「勝利」

トランプ米大統領は15日、ロシアのプーチン大統領と米アラスカ州で約3時間会談した(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は15日、3年半続くロシアのウクライナ侵攻を巡って会談した。会談後にプーチン氏と共同で会見したトランプ氏は、停戦の合意には至らなかったとしつつ、話し合いは「非常に生産的だった」と語った。
会談は米アラスカ州で約3時間行われた。両首脳は短時間の会見の中で進展を強調したが、詳細は明かさず、報道陣からの質問も受けなかった。
トランプ氏は「我々は多くの点で合意した」と説明。「いくつかの大きな問題についてはそこまで至らなかったが、一定の前進はあった。合意するまで取引はない」と述べた。
会談前にトランプ氏が掲げていた停戦に向け、意味のある一歩が踏み出せたかどうかは現時点で明らかではない。
プーチン氏は会見で、ウクライナと欧州諸国が米ロ交渉の結果を受け入れることを期待すると述べ、解決に向けた進展を妨害しないよう警告した。
「今日の合意がウクライナ問題の解決だけでなく、ロシアのすべての正当な懸念を考慮し、欧州と世界全体の公正な安全保障のバランスを回復する基準点となることを期待している」とした。
一方でプーチン氏は、安定した平和の実現にはロシアが紛争の「根本的原因」と主張する要因を取り除く必要があるとの立場を改めて表明。依然として停戦に前向きではない姿勢を示した。
ウクライナ政府の反応は現時点で得られていない。トランプ氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領と北大西洋条約機構(NATO)首脳に電話をして会談内容を報告すると明らかにした。