米ロ首脳会談で、ウクライナ停戦への進展はあった? プーチンにとっては確実な「勝利」
ロシアがウクライナに侵攻して以降、トランプ氏とプーチン氏が直接会談するのは初めて。当初予定していたトランプ氏とプーチン氏の1対1ではなく、3対3で行われた。米側はルビオ国務長官とウィットコフ中東担当特使、ロシア側はラブロフ外相とウシャコフ大統領補佐官が同席した。
アラスカの空軍基地に到着したプーチン氏は、レッドカーペットで迎えられた。上空を米軍機が飛ぶ中、トランプ氏はプーチン氏を温かく受け入れた。
プーチン氏にとって、今回の首脳会談は結果がどうなるにせよ大きな勝利だった。ロシアを孤立させる西側の試みが破綻し、ロシアが外交の重要な場で正当な地位を取り戻しつつあると国際社会に示すことができる。
一方、トランプ氏は停戦を実現することで地域に平和をもたらし、ノーベル平和賞にふさわしい仲介者としての評価を高めたいと考えている。
会談中もウクライナ東部で空襲警報
両首脳の会談中も、ウクライナ東部の大半の地域では空襲警報が鳴っていた。ロシアでもロストフ州とブリャンスク州の知事らが、ウクライナのドローン攻撃を受けていると報告した。
ウクライナの野党議員オレクシー・ホンチャレンコ氏はメッセージアプリのテレグラムに、「プーチン大統領は時間を稼いだようだ。停戦も緊張緩和も合意がなかった」と書き込んだ。
チェコのヤン・リパフスキー外相は声明を出し、「プーチン大統領が平和交渉に真剣だったなら、きょう一日、ウクライナを攻撃することはしなかっただろう」と述べた。


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