最新記事

コミュニケーション

格好いい言葉も、よどみない喋りも邪魔なだけ...プロが教える「話し方」3つのコツ

2022年8月31日(水)11時35分
flier編集部
ひきたよしあき氏

ひきたよしあき氏(本人提供)

<『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』『「スルーされない人」の言葉力』著者・ひきたよしあきさん>

ここ数年、「話し方」の本が大変よく売れています。

新型コロナウイルス流行の影響でリアルからオンラインへと移行し、さらにハイブリッドワークの導入が進むことで、リアルとオンラインの両方に対応することが求められるようになりました。従来のコミュニケーション法だけでは対応しきれなくなり、「話し方」の本がよく手に取られているようです。

今回お話をうかがったのは、政治、行政、大手企業などのスピーチライターとして活躍中のひきたよしあきさんです。『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』『「スルーされない人」の言葉力』(大和出版)、『一瞬で心をつかみ意見を通す対話力』(三笠書房)など、「話し方」本で多数のヒットを飛ばしています。

そんなひきたさんに、“今日から試せる”「話し方」のコツを株式会社フライヤーの執行役員・井手琢人がうかがいました。
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

◇ ◇ ◇


「カッコいい言葉」より「わかりやすい言葉」

井手琢人(以下、井手) ひきたさんは「スピーチライター」という珍しい肩書きですね。

ひきたよしあきさん(以下、ひきた) 博報堂に長く勤めていて、初めの頃はCMプランナーをはじめとするクリエイティブの仕事をしていたんですが、ある時期からスピーチを書く仕事を任されるようになりました。会社の中でも極めて珍しい仕事ですね。

東日本大震災があったときに、さまざまな情報を一般の方にわかりやすく伝える必要性を感じました。その頃から、難しい話を優しく伝えていくことに興味を持ち始めたんです。

井手 政治家や経営者のスピーチは固い印象があるんですが、今はそうではないということですか?

ひきた 官僚答弁みたいなスピーチは一般的には通じないわけです。

例えば選挙があって、一般の方に向けて喋るときには、それ相応の言葉が必要になってきます。難しい言葉をどうわかりやすくするかが非常に大事です。

CMではいわゆる「カッコいい言葉」を作ってきましたが、スピーチライターは「わかりやすい言葉」を作る仕事なんです。

井手 昔は「カッコいい言葉」の方が重宝されていたように思いますが、時代とともに変わったということなんでしょうか?

ひきた 価値観が変わったということだと思います。

行政は行政の方言を、科学技術は科学技術の方言を持っている。若者は若者の方言を、ビジネスパーソンはビジネスパーソンの方言を持っている。

それぞれが専門用語という方言をただ喋るだけでは、通じているようで実は通じていない。そうした日本の現状に気づいたんだと思います。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

東京ガス、25年3月期は減益予想 純利益は半減に 

ワールド

「全インドネシア人のため闘う」、プラボウォ次期大統

ビジネス

中国市場、顧客需要などに対応できなければ地位維持は

ビジネス

IMF借款、上乗せ金利が中低所得国に重圧 債務危機
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中