最新記事
認知症

認知症を防ぐ8つの食材、避けたい意外な食品──専門医が語る「食の選び方」

2025年7月3日(木)16時43分
白澤 卓二(白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長)*PRESIDENT Onlineからの転載
健康的な食材

monticello -shutterstock-

<認知症は「毒素をためこむ生活習慣」から始まる。呼吸や食事、ストレスは避けようがないが、体内の「排出力」を高めることはできる>

認知症を予防するためにできることは何か。認知症専門医の白澤卓二さんは「有害物質を完全にシャットアウトしようとするより排出するメカニズムを強化するほうが現実的。デトックス効果のある食材はいくつもある」という――。

※本稿は、白澤卓二『Dr.白澤の実践メソッド 100寿をめざす認知症最新戦略』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。

毒は気づかないうちにたまっていく

長い間、人体の中枢を担う脳は、異物が入り込むことができないよう、厳重に守られていると考えられてきました。ところが、2019年にアルツハイマー病患者の脳からジンジバリス菌(※1)が発見された、という論文が発表されて医学界に大きなインパクトを与えました。脳の守りは鉄壁ではない、ということが示されたからです。

※1 歯周病の原因菌。認知症、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎などへの関係が指摘されている。動脈硬化・認知症予防には歯と歯ぐきのケアがとても大切。

 


また、デール・ブレデセン博士(※2)の説では「脳になんらかの異物が入ると、それと戦うためにアミロイドβが発生し、やがて毒性の強いタンパク質へと変質して神経細胞が機能障害を起こす」となっています。

※2 アルツハイマー病など中枢神経変性疾患の世界的権威。カリフォルニア大学サンフランシスコ校で多くの研究を行う。

体内に毒を入れないことが大切ですが、私たちは呼吸や食べ物、皮膚などから外界のものと接触していて、カビ、重金属、内分泌を乱す物質など、さまざまな有害物質にさらされています。有害物質を完全にシャットアウトすることは不可能ですし、それを考えながら生活することは、非常にストレスがたまるでしょう。

できないことに注力するよりも、私たちの体に備わっている、有害物質を排泄するメカニズムを強化するほうが現実的ではないでしょうか。

体内に有害物質が入ったとしても、汗、尿、便などと一緒に体外に排泄されます。運動や入浴で汗をしっかりかき、腸内環境を整えて快便を促すことは何よりのデトックスになります。エアコンの効いた部屋で汗をかかずに過ごし、ストレスで便秘しがちな人は、体内に有害物質がたまっていく一方です。いますぐ生活を見直しましょう。

また、毎日の食事に、有害物質の排泄を促す解毒作用のある食品を取り入れることも解毒に役立ちます。次ページから紹介する、ブレデセン博士がすすめる特に解毒作用が強い食品を、毎日の食事にできるだけたくさん取り入れることも、認知症予防に役立ちます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、韓国が軍事境界線付近で警告射撃を行ったと批

ワールド

インテル、米政府による10%株式取得に合意=トラン

ワールド

焦点:中国、社会保険料の回避が違法に 雇用と中小企

ビジネス

米国株式市場=ダウ最高値更新、FRB議長の利下げ示
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子、ホッキョクグマが取った「まさかの行動」にSNS大爆笑
  • 3
    3本足の「親友」を優しく見守る姿が泣ける!ラブラドール2匹の深い絆
  • 4
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    一体なぜ? 66年前に死んだ「兄の遺体」が南極大陸で…
  • 9
    海上ヴィラで撮影中、スマホが夜の海に落下...女性が…
  • 10
    抽象的で理解の難しい『2001年宇宙の旅』が世に残り…
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 7
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 8
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 9
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中