最新記事

投資

ロビンフッドでシネコンオーナーも夢じゃない!? 世界では10代の投資家も活躍

2021年5月16日(日)11時50分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

アメリカでは10歳の少年がお年玉で投資家デビュー

一方、株式投資の早期教育先進国といわれる欧米のケースを見てみよう。アメリカでは、実際に親が少額の株を子どもに買い与えるケースも珍しくない。筆者の友人で、今4歳と8カ月の姉妹を育てているアメリカに住む知人も、夫と相談し子供が小学校高学年になったら投資を実践学習させようと今から考え中だと言う。

実践的に株を教えることが目的の家庭内教育が、実際に大きな利益を出したケースもある。今年2月、冒頭にも登場した「ゲームストップ」の株を60ドル分購入し、3200ドルで売って利益を出した10歳の少年ジェイドン・カー君が話題となった。

テキサスに住むジェイドン君は、「クワンザ」と呼ばれるアフリカ系アメリカ人の年末年始のお祭りで、お年玉としてゲームストップの株(1株6ドル)10株をプレゼントされた。そして、母から株式の見方や仕組みを習ったのだという。その13カ月後、ゲームストップ株は1000%ほど急騰、彼は50倍の収益をだしたのだ。ジェイドン君は現在この売上げを元に、また別の会社に投資しているという。10歳とはいえ、彼はもう立派な投資家なのである。

このように、アメリカでは学校だけでなく家庭内でも株式投資の教育が進んでいるようだ。ところで、教育と言えば我らがアジアも負けてはいない

韓国ではE-スポーツのようにチーム戦も

教育熱心なことで有名なお隣の国・韓国でも、株式投資の低年齢化は進み、教育を目的とした実践的キッズ投資家も増えている。その中でも有名なのが、7歳から実際に親が投資をさせ、現在1400万ウォンを稼ぐ小学生クォン・ジュン君だ。

クォン君は現在「쭈니맨(チュニメン」」という名前でユーチューブチャンネルも開設している。その動画内容を見てみると、「未成年者が株式口座を開く方法」「10代の財テク」「金持ちになる10の方法」など、大人顔負けの充実ぶりである。

他にも、最近韓国では数名でチームを組んで、どのチームが一番利益を上げるか競うゲーム感覚の投資家も若者を中心に増加しているという。こういった軽い気持ちで株を楽しんでいる人たちのことを、「楽しい=FUN」と個人投資家を意味する「蟻=ケミ」で「FUNケミ族」と言うそうだ。

今や、「株=ギャンブル」「行きつく先は借金地獄」という連想は古いのだろうか。今までそういったネガティブイメージに縛られていた筆者も、今どきの小学生に負けているわけにはいかない。これを機に株主デビューをしてみようではないか。

まず手始めとして噂のRobinhoodを実際にダウンロードしてみることから始めてみよう。早速、今原稿を書いているパソコンの横で充電中のスマホを手に取った......。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中