根拠なき米国株上昇 市場が織り込む過度な景気回復期待
中国に追随
相場上昇はある面では、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アップル、フェイスブック、グーグル親会社アルファベットという「5強」にけん引されてきた。合計時価総額はS&P総合500種の約2割を占めており、ロックダウン(都市封鎖)中に需要が高まった銘柄として投資家の買いが集まって市場全体を押し上げた。
例えばアマゾンは3月の安値から45%近く、フェイスブックは62%もそれぞれ上昇している。
新型コロナ感染者数の増加と鈍化の双方で約2カ月先行している中国と、米国の動きを比較することで株高を正当化する向きもある。
中国の製造業と非製造業を総合した購買担当者景気指数(PMI)は1月に半分以下に沈んだ後、4月までには年初を上回る水準に戻った。マークイットによると、米国の総合PMIは2月に急低下が始まり、5月に35%近く反発している。
ロイトホルト・グループのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「多分、米国の回復は中国で伝えられるほど迅速でも劇的でもないだろう。だが米経済が示すパターンはこれまでのところ、中国の経験を(時間差を伴いながら)なぞっている」と語った。

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