最新記事

ゲーム

カプコン社長「モンハンの出足は100点以上」「eスポーツに本格参入する」

1月下旬に発売した「モンスターハンター:ワールド」は順調な滑り出しとなった(写真:カプコン)© CAPCOM CO., LTD. 2018 ALL RIGHTS RESERVED.

2018年が始まって1カ月半ほどしか経っていないが、日本のゲーム業界は早くも盛り上がりを見せている。特に話題を集めているのが、1月26日にカプコンが発売した『モンスターハンター:ワールド(以下モンハンワールド)』だ。

モンハンは多人数で協力してモンスターを狩るゲーム性を武器に、持ち寄って遊べる携帯機向けを主軸に展開してきた。対して、モンハンワールドは9年ぶりとなる据え置き機向けタイトルだ。現在プレイステーション4とXbox Oneで発売されており、今後PC版も発売される予定となっている。初速は絶好調で、発売から3日間で出荷本数は500万本を突破し、シリーズ歴代最多本数を早々に塗り替えた。

他方、2月1日設立されたeスポーツの業界団体「日本eスポーツ連合」も注目されている。eスポーツとは、ゲームを使った対戦をスポーツ競技としてとらえる際に使われる名称。海外ではすでに大きな盛り上がりを見せており、将来のオリンピック種目化も期待されているほどだが、日本ではまだ一般的とは言えない状況にある。今回設立された日本eスポーツ連合は既存3団体が統合したもので、国内のeスポーツ活動の普及と発展を目的として掲げている。

ゲーム業界をにぎわすこれらのテーマについて、日本eスポーツ連合の理事も務めるカプコンの辻本春弘社長に話を聞いた。

想定以上の反響が来ている

――モンハンワールドの販売が好調です。海外比率も6割と従来シリーズと比べて高い。初速を100点満点で採点すると何点でしょうか。

われわれが事前に想定していた以上の反響が来ている。海外の売り上げも非常に好調。これからPC版も発売するので、やりようによってはまだまだ販売を伸ばしていくことができそうだ。

――ということは、100点以上ということですか?

そういうことになる。

――携帯機向けとして人気のモンハンシリーズですが、今作は据え置き機向けです。どのような狙いを持って開発したのでしょうか。

もともとモンハンは据え置き機向けとして始まったタイトルだが、携帯機「プレイステーションポータブル」向けに展開したことをキッカケに大ブレークして、それ以降は国内の携帯ゲーム機ユーザーを中心に販売してきた。

それに対して、モンハンワールドはグローバル展開を狙ったタイトルだ。据え置き機やPC向けでの開発に挑戦したのも、海外のゲーム市場動向を考慮して決めた。

同時に、携帯機でのゲーム表現には限界があり、従来路線では既存ユーザーからの要望に応えきれていない面があった。モンハンワールドの開発では、最先端の技術で「モンスターハンター」というゲームを1から作り直し、ユーザーの声に応えるという思いもあった。

今作ではゲーム内世界の表現力が大きく改善した。広大なフィールドを自由に動き回れるようになり、地形を生かした攻略の幅も広がった。フィールドに生息するモンスターについても、捕食行動を行ったり縄張り争いを行ったりと、よりリアルな生態を表現できるようになった。この点はユーザーからも非常に好意的に受け入れられている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ税制法案、実施されれば若年層から高齢者へ富

ワールド

イスラエル諜報機関トップ、イラン任務で諜報員称賛 

ビジネス

米スリーマイル原発再稼働27年に前倒しへ、CEOが

ワールド

アングル:トランプ氏「ほめ殺し作戦」に徹したNAT
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中