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スパイ顔負け!中国人留学生によるTOEIC替え玉受験は氷山の一角にすぎない
©2025 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN
<中国人留学生によるTOEIC替え玉受験が摘発されたが、中国でカンニングはとっくに「産業化」されている。そして日本に住む中国人が増えるにつれ、スパイ顔負けの「テクニック」が広がり始めた>
5月中旬、東京で行われた英語の国際テストTOEICで中国人留学生の替え玉受験が摘発されたが、なんと43人が容疑者と同じ住所で申し込んでいた(容疑者は他の受験生に解答を伝えていた)。これに懲りず6月上旬のTOEICでも中国籍受験者10人がカンニングを試みた。TOEICの好成績を日本の大学院受験に利用するのが目的らしい。
中国でカンニングや替え玉受験はとっくに組織的産業になっている。仲介機関に料金を払えば、試験の替え玉だけでなく、入学後の授業の出席や課題・論文の提出など全てを代行してもらえる。2022年に広州市で行われたある通信制大学の期末試験の会場では、受験生2831人中2093人が替え玉だった。
不正行為は自動車学校にも広がっている。一部の自動車学校や運転試験の教官はより多くの生徒を獲得し、不当な利益を得るために「特別サービス」を提供。警察官や公務員に賄賂を渡して試験の難度を下げさせたり、教官自身が替え玉受験をしたり、試験用パソコンに不正なソフトをインストールして、受験者に遠隔で解答を教えている。
これ以外にも公務員試験、大学院入試、外国語検定試験、医師資格試験に加え、中国人にとって最も神聖で公平とされる大学入試(高考)でも不正が横行している。「上流」で試験問題を不正に入手し、「中流」でカンニング機器の調達や製造、受験者を募集、「下流」で替え玉が実際に受験──と、明確な役割分担と緊密な連携の犯罪網が完成している。
機器もハイテク化している。カンニング専用の電子ペンはペン先に赤外線装置が付けられ、英単語を認識して中国語に翻訳できる。解答を受信するカンニング専用定規や、後ろや隣の席の答案をのぞき見るカンニング専用メガネもある。
中国政府は15年から、試験の不正行為に対する法的責任を追及するようになった。24年4月までの試験不正組織罪、試験問題・解答の不正販売・提供罪、替え玉受験罪などの摘発件数は4007件で、1万1146人が有罪判決を受けた。
来日する中国人が増えるにつれ、この犯罪網が日本にも少しずつ広がっている。TOEICの事件は氷山の一角にすぎない。このことに日本人はそろそろ気付いたほうがいい。
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