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「時間はロシアの味方」の意味──苦戦と屈辱が続くも「プーチンの戦争」は今年も終わらない

言語と文化を傷つける行為
元教え子のロシア人はSNSへの投稿で、ロシア軍は少数民族やイスラム教徒の兵士が多く、戦死者の割合も高いので、人口構造の補正ができていると主張した。だからロシア人が今後20年間で支配的地位から転落する可能性は低いというのだ。
プーチンの精神分析を行う識者が最もよく語る「驚き」の1つは、明らかに負けているのに、どうして自信満々なのかというものだ。だが、本当に負けているのだろうか。
実は時間はロシアの味方だ。23年中にウクライナが決定的勝利を収めなければ、24年には欧米の国々が選挙の年を迎える。そこで現職以外が勝てば、ウクライナが戦争を継続する能力の見通しが一変する可能性もある。欧米の全面的援助がなければ、ウクライナは武器も食料も自力では調達困難だ。次期米大統領を当てる賭けサイトでは、ジョー・バイデン現大統領の支持率は32%にすぎない。
だが、戦争賛成派のロシアの友人にも痛恨の出来事が1つある。たとえ軍事的に勝利しても、文化的な威信が大きく傷つくことだ。私は彼に、あるヨーロッパの空港で私の幼い娘がロシア語を話したら、周囲の視線が集中したという話を伝えた。生まれたばかりの妹と遊ぶ天使のような2歳児が、ロシア語を話しただけで刺すような視線を向けられたのだ。
14年にウクライナからクリミアを奪ったプーチンは、併合を正当化する理由の1つとしてロシア語話者とロシア文化の保護を強調した。だが、今後はウクライナ語が苦手なロシア語話者でさえ、たとえコミュニケーションがうまく取れなくてもウクライナ語だけを使うようになりそうだ。
エストニアやラトビアでも同様の動きが起きている。ラトビアは最近、20のロシア語テレビ局の放送免許を取り消し、ナチスに対する勝利を祝う首都の記念塔を取り壊した。
23年のプーチンは大方の予想を裏切り、想定以上の戦争目的を達成するかもしれない。だがウクライナでさらなる軍事的成功を収めても、未来の歴史書がロシアの言語と文化に対するプーチンの貢献を評価することはなさそうだ。
(筆者は元ロシア国家経済・公共政策アカデミー特別教授で、妻がウクライナにルーツを持つロシア人)
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