ゼレンスキー氏、米に新たな和平案提示 「領土問題なお難題」
写真はウクライナのゼレンスキー大統領。2025年12月8日、英ロンドンで撮影。REUTERS/Isabel Infantes/File Photo
Yuliia Dysa
[キーウ 11日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ロシアとの戦争終結を目指す和平案の改訂版を米国に10日に提示したと明らかにした。提示した和平の枠組みには20項目から成る包括案に加え、ウクライナに対する「安全の保証」を巡る文書などが盛り込まれているという。
ゼレンスキー氏は首都キーウで記者団に対し、領土問題を巡る交渉が依然として最大の難題になっているとの認識を示した上で、米国が妥協案として、ロシアが割譲を求めている東部ドンバス地域(ドネツク、ルハンスク両州)のウクライナ支配地域に「自由経済特区」を設ける構想を提示したと説明。「ウクライナ軍がドネツク州から撤退し、ロシア軍はドネツク州のこの地域に立ち入らないという妥協が想定されている」と述べた。
ロシアはこうした地域を「非武装地帯」と呼んでいるものの、この地域を誰が統治するかまだ決まっていないとし、領土問題を巡る共通認識は得られていないと言及。いかなる領土割譲についても国民投票を実施する必要があるとの考えを改めて示した。
領土問題を巡っては、ロシア軍が北東部のハルキウ州とスムイ州のほか、南東部ドニプロペトロウスク州の一部地域から撤退する案が協議されているほか、南東部ザポリージャ州と南部ヘルソン州のロシアによる占領が続いている地域について現在の前線を固定する方向で調整が進められていると明らかにした。ロシア占領下にあるザポリージャ原子力発電所については、米国が共同管理案を提案したという。ロシアは自国の管理下に置き続ける意向を示している。
トランプ米大統領がウクライナに「クリスマスまでに」和平案を受け入れるよう期限を設定したとの報道については、明確な期限は示されていないものの、「米国はクリスマスまでにこの合意について完全な理解を得たいと考えている」との見方を示した。
包括的な和平案には、20項目からなる枠組みに加え、ロシアによる再攻撃を防ぐためのウクライナに対する「安全の保証」に関する文書のほか、ウクライナ再建に関する文書が盛り込まれる見通し。これまでウクライナに対する安全の保証を巡る確約が十分に履行されてこなかったことを受け、ウクライナは議会による批准を強く求めており、ゼレンスキー大統領はこの日、米国のルビオ国務長官、ヘグセス国防長官、ウィットコフ中東担当特使と安全の保証を巡る「踏み込んだ」協議を行ったと明らかにした。
ウクライナは戦闘終結後も強力な軍隊を維持する方針で、ゼレンスキー氏によると和平案の改訂版にはウクライナ軍の規模を80万人とする案が盛り込まれており、当初の枠組みよりも増加している。





