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カーク暗殺をめぐる陰謀論...MAGA派の「内戦」を煽るのは誰か

首都ワシントンで行われたカークの追悼式典に出席したジョンソン下院議長(写真中央、15日) TOM WILLIAMSーCQ ROLL CALLーSIPA USAーREUTERS
<保守派の「英雄」となったチャーリー・カークをめぐって政治抗争が勃発。生前のカークの集会を荒らしていた右派ニック・フエンテスとは何者か>
アメリカのテレビドラマ『HOMELAND』のシーズン7は、ロシアによるアメリカ民主主義の不安定化工作と、独裁傾向を強める米大統領の「内なる敵」への弾圧の2つを背景に物語が進行する。この番組でロシアSVR(対外情報庁)の工作員エフゲニー・グロモフはアメリカ国内に既に存在する深刻な分断をあおり、内戦を誘発しようとする。
保守派団体ターニングポイントUSAの創設者チャーリー・カークの銃殺事件が起きると、ロシア、イラン、中国はすぐさまグロモフと同様の目的で動き出した。例えば国営テレビ局「ロシア・トゥデー」はカーク暗殺について39回もツイートし、扇動的な報道を繰り返した。
事件はアメリカにとって重大な転換点だ。9月21日にアリゾナ州で執り行われたカークの追悼式典には10万人近くが集まり、トランプ大統領も全予定を変更して参列した。この国はイデオロギーをめぐる「内戦」に突入するのか。
アメリカは思いのほか穏健な国だ。歴史的に全人口の40%弱がほぼ一貫して自分を穏健派と位置付けており、穏健派が過激化している証拠は何もない。問題は二大政党の分極化と、そこから利益を得る左右メディアの存在だ。スタンフォード大学のモリス・フィオリーナ教授(政治学)は指摘する。「一般市民と『政治クラス』の隔たりは大きい。政治クラスとは国民の約15%を占める政治が生きがいの人々。彼らは献金し、選挙運動に関与し、フェイスブックやX(旧ツイッター)などに投稿する」
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