最新記事
事件

「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に15年~終身刑の判決...米女優が死亡した事件で

‘Butt Lady’ Gets 15 Years to Life for Injection That Killed Actress

2025年11月8日(土)09時36分
ロバート・アレクサンダー
美容整形の失敗で亡くなった米女優

今年3月に死亡した女優シンディアナ・サンタンジェロ Cindyana Santangelo/Instagram

<『ER緊急救命室』などへの出演で知られる女優シンディアナ・サンタンジェロが、美容整形の施術後に死亡。リビー・アダムという女性が第2級殺人罪に問われていた>

長年にわたり違法な美容整形の施術を行ってきたとされるカリフォルニア州リバーサイド郡のリビー・アダム被告が、女優シンディアナ・サンタンジェロの死をめぐる第2級殺人の罪で有罪判決を受け、懲役15年から終身刑を言い渡された。

■【写真】「豊尻」施術の失敗で、米女優が死亡...「お尻レディ」の異名で知られた無資格の施術者に有罪判決

55歳のアダムは今年3月24日、施術によって生じた塞栓症でサンタンジェロを死亡させたとされているが、無資格で医療行為を行った罪でも有罪となった。検察によれば、施術はサンタンジェロの自宅で行われ、承認されていないシリコンが用いられたという。

アダムはすでに、2024年に別の依頼者が死亡した件に関連して過失致死罪で有罪判決を受けていた。

今回の判決は単に殺人事件の裁判の終結だけでなく、規制の及ばない美容整形の世界における公衆衛生上の深刻な問題を浮き彫りにしたという意味も持つ。SNS主導の(時に過剰な)美容文化が広がるなか、公的機関から警告が繰り返されても違法施術は横行している。

保健当局によれば、無免許業者が自宅やホテルの一室で行うシリコン注入は、米国内で数多くの負傷者や死者を出している。現役の女優であるサンタンジェロが被害者となった今回の事件でも、低価格で体型を変えたいと願う人々の需要の多さと、消費者を守れない制度の脆弱性が改めて注目された形だ。

今回の事件で有罪判決を受けたアダム自身、1年前にも別の顧客の死亡により殺人罪が問われる可能性があると明確に警告されていた。この事件の裁判で裁判官はアダムに対し、同様の施術を繰り返せば患者が死亡した際に殺人罪が適用されると警告していた。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:マムダニ氏、ニューヨーク市民の心をつかん

ワールド

北朝鮮が「さらなる攻撃的行動」警告、米韓安保協議受

ビジネス

NY外為市場=ドルおおむね下落、米景気懸念とFRB

ビジネス

ステーブルコイン普及で自然利子率低下、政策金利に下
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中