コラム

価格上昇期に狙い目となる「旧価格マンション」。まだ残っている場所と、その理由は?

2022年10月25日(火)11時49分

野村不動産の「プラウドタワー名駅南」は、約71平米の広めの2LDKが5600万円台から。59平米の2LDKであれば4700万円台からの設定になっている。

その建設地は、名古屋駅から徒歩9分。名古屋駅につながる地下鉄入口までは徒歩5分という便利な立地だ。新しい街づくりが進む名古屋駅東口側では、オフィスビルや商業ビル中心となる場所が主体になるので、東口側で駅徒歩9分は極めて駅に近い。現在販売中のタワーマンションでは、最も名古屋駅に近い物件ということになる。

sakurai20221024174203.jpg
「プラウドタワー名駅南」の外観。実際の建物を見て購入検討できる。筆者撮影

さらに、名古屋市営地下鉄東山線の名古屋駅と伏見駅の間に新駅(仮称柳橋駅)をつくる構想が出たこともあった。リニア開発により名古屋駅利用者が増加することで、新駅構想が復活すれば、同マンションの利便性はさらに向上するはずだ。

「プラウドタワー名駅南」は建物が完成しており、天井高が2メートル60センチもある開放的な室内を実際に確認できる。

リニア中央新幹線でさらなる発展が見込まれている名古屋駅周辺では、すでにリニアの建設工事がはじまっている。

生まれ変わる名古屋駅の「旧価格マンション」に興味を持つ人は多いのではないだろうか。

なぜ、地方で旧価格マンションが残っている?

今回、札幌、名古屋、福岡でみつけた旧価格マンションには、共通する特徴がある。

それは、1LDK、2LDK住戸が中心になるマンションである点だ。1LDK、2LDKとしては広めの間取りになっているのだが、居室の数が1つの間取り、2つの間取りである。これは、3LDK指向が強い地方都市では、ちょっと残念な点と受け止められがちだ。

一方で、東京、大阪から買いに来る人にとって1LDK、2LDKは使い勝手のよい間取りとなるのだが、ここで共通する特徴の2つめが出てくる。

それは、マンション自体が「目立ちにくい」という点だ。

いずれも、周囲に目立つ大規模マンションが続々と建設されており、そこまで総戸数が大きくないために、陰に隠れてしまった......つまり、目立ちにくいことで東京、大阪からの購入検討者の注目度も下がった。

その結果、販売が長期化し、旧価格マンションとして残ったと考えられる。旧価格マンションは、価格が抑えられているため、買いやすいし、賃貸に出したときの利回りも上がる。魅力的な物件であることは間違いない。


※当記事はYahoo!ニュース個人からの転載です。

※筆者の記事はこちら

プロフィール

櫻井幸雄

年間200件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。・公式サイト ・書籍/物販サイト

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

対日関税で米大統領令、自動車2週間以内に15%に 

ビジネス

午後3時のドルは148円前半へ下落、米雇用統計待ち

ビジネス

対日関税で米大統領令、自動車2週間以内に15%に 

ワールド

タイのタクシン元首相、ドバイに到着と投稿
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 7
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 8
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 10
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story