コラム

このクジラの写真は、最大公約数的な海洋写真とは違う

2017年12月18日(月)11時53分
このクジラの写真は、最大公約数的な海洋写真とは違う

From Michaela Skovranova @mishkusk

<29歳の海洋写真家、ミシェラ・スコヴラノヴァ。海と、人間を含む海の生物に対する彼女の情熱が作品の魅力だが、それだけではない>

人は、何かの世界に取り憑かれたように魅惑され、入り込んでしまうことがある。それは、写真家やアーティストにとっては最も大切な要素の1つになるだろう。この種の情熱がなければ、いくら才能があったとしても、作品は単なるテクニックだけの味気のないもので終わってしまう。人を深く感銘させることはできない。

スロバキア生まれ、オーストラリア育ちのミシェラ・スコヴラノヴァ、29歳。彼女はそういった情熱、自分の世界を持った写真家だ。

彼女が入り込んだ世界は、海中である。完全なる異次元の世界だという。静かで、時間の流れは非常にゆっくりだが、海中では日々の光景が同じになることはない、とスコヴラノヴァは語る。メインの被写体は、生き物、それも巨大な生物が多い。クジラ、イルカ、ウミガメなどである。

幸運に恵まれることもあるらしい。例えば、第1回のザトウクジラ撮影プロジェクトの中で、4トンほどの赤ちゃんクジラが目の前を通り過ぎて行ったことがある。そのときの感激は忘れられないと彼女は言う。また、イルカが足元に近づいてきて、まるで挨拶をするかのように、かすかな鳴き声を立てて去っていったこともあるそうだ。

そうした感激は、スコヴラノヴァにとって海洋写真を撮り続ける大きな動機になっている。そしてその感動を、海の不可思議さを、写真やビデオを通して多く人たちとシェアしたいと彼女は考えている。

【参考記事】世界報道写真入賞作「ささやくクジラたち」を撮った人類学者

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

ニュース速報

ビジネス

内外株と外国社債中心に積み増し=18年度下期・大同

ビジネス

ECBの政策ツール、インフレ押し上げに十分効果的=

ビジネス

焦点:恐怖指数VIX上昇、株安で「ボルマゲドン」再

ワールド

サウジ、記者失踪で徹底捜査を約束=米国務長官

MAGAZINE

特集:日本人がまだ知らないウイグル弾圧

2018-10・23号(10/16発売)

中国共産党によって続くウイグル人の苛酷な強制収容── 世界はこの人権侵害からいつまで目を背けるのか

人気ランキング

  • 1

    日本は中国との闘い方を知らない

  • 2

    金利上昇で住宅ローンが危ない! 収支ギリギリの人は要注意

  • 3

    この虫を見たら要注意!大量発生で農作物や木を枯らす害虫が拡散中

  • 4

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 5

    サウジを厳しく追及できないイギリスの冷酷なお家事情

  • 6

    人殺しの息子と呼ばれた「彼」は、自分から発信する…

  • 7

    スウェーデン中国人観光客「差別事件」で、中国が支…

  • 8

    いじめで「死ななかった子」と親を取材して分かった…

  • 9

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 10

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 1

    「ありえないほどかわいい」羊に世界中から引き合い殺到

  • 2

    ボイジャー2号がいよいよ太陽系から離脱しインターステラーへ

  • 3

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営者が語る

  • 4

    ノーベル平和賞のヤジディ教徒の女性が、ISISの「性…

  • 5

    スウェーデン中国人観光客「差別事件」で、中国が支…

  • 6

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 7

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 8

    おどろおどろしい溶岩の世界!?木星の北極の正体が…

  • 9

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 10

    世界一スキャンダラスな絵画、謎に包まれた「女性器…

  • 1

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はいま......

  • 2

    「まぶた失い眠れない」 イギリスで急増する硫酸襲撃の恐怖

  • 3

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 4

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 5

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 6

    SNSのイタイ「セクシー自撮り」に隠された本音 他に…

  • 7

    ペンギンの同性カップル、両親からひなを誘拐

  • 8

    ソメイヨシノ韓国起源説に終止符? 日本文化の起源…

  • 9

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 10

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
「♯レゴのすべて」投稿キャンペーン
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

ニューズウィーク日本版特別編集 レゴのすべて

絶賛発売中!