最新記事
最新医療

「AI外科」とは何か?...4つの「がんステージ分類」と定型化を超える「あなただけの手術」

2026年2月21日(土)10時10分
石沢武彰 (大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵外科学教授)
手術

Mindworld-pixabay

<AIが打破する「ステージ分類の限界」と手術の最適解について>

かつて腕一本の「職人芸」だった手術。しかし現在、ロボットとAIを味方につけて、外科医療は急速に姿を変えている...。

がん治療の最前線に立ち続けてきた現役外科医が「手術の進化」と次の一手を描いた話題書『変革する手術 「神の手」から「無侵襲」へ』(角川新書)より、第5章「メスのない未来の手術」を一部抜粋編集・転載。


「AI外科」の創設

AI手術(AI Surgery)とは何だろう。ロボット手術が思い浮かぶが、僕たちの定義はもっと広い。現代の手術では、「ただの電気メス」にも、組織の抵抗を瞬時に感知し最適な電流を出力できる、精密な計算・制御システムが備わっている。

内視鏡や蛍光イメージングの画像処理もしかり。このような情報処理技術を少しでも使う手術――つまり、普通の手術――はすべて「AI手術」の範疇に入る。

例えば、肝臓外科医としての経験から、「このがんのCT像は真ん丸で、性質がおとなしそうな形をしているから、切除すれば根治できるだろう」と判断した患者が、実際は早期に再発してしまう。それをAIは言い当てるのである。

逆に、「これはゴツゴツした形だし、血液検査の腫瘍マーカーも高めだし、切除しても再発しそうだな」というニンゲンの心配をよそに、患者が手術後に長期間再発しないことを、AIが予測することもあった。

末恐ろしいのは、AIの関心領域を推定するヒートマップを表示すると、そのピークは必ずしも腫瘍のあたりではなく、全然違う場所に集中していることがある点。一体、AI予言者は何を見ているのか?

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがドローン・ミサイル攻撃、ハルキウで少なくと

ワールド

トランプ氏、イランとの交渉「関心ない」 全指導者排

ワールド

アングル:ベトナム、新興国格上げ目前に海外資金流出

ワールド

アングル:メキシコ「麻薬王」拘束作戦の立役者、家族
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 2
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 3
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 4
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 5
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 6
    女性の顔にできた「ニキビ」が実は......医師が「皮…
  • 7
    大江千里が語るコロナ後のニューヨーク、生と死がリ…
  • 8
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ル…
  • 9
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 10
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中