ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発「スロパガンダ」の正体
China’s AI Trump Card: High-Quality Slopaganda
中国のAI動画生成モデル「Seedance 2.0」のホームページが表示されたスマートフォン(2月26日、ベルギー・ブリュッセルで撮影された写真イラスト) Jonathan Raa via Reuters Connect
<中国バイトダンス社が放った新型AI「シーダンス2.0」が、世界に衝撃を与えている。もはや「本物」と見分けがつかない高精細な偽動画を、誰でも安価に量産できるこの技術は、国家レベルの情報工作(スロパガンダ)の凶器にもなり得る>
中国と米国のAI競争は、もはや半導体や生成AIアプリだけにとどまらない。焦点は、本物同様の説得力でインターネットを席巻する高品質なAI動画生成に移っている。
TikTokを運営する中国バイトダンスが発表した新しいAI動画生成ソフト「シーダンス2.0」は、ユーザーが簡単な指示をするだけで「トム・クルーズ」と「ブラッド・ピット」が「ジェフリー・エプスタイン」を巡って屋上で取っ組み合いを演じる超リアルな映像を生成し、ここ数日インターネットを騒がせている。
映像は映画さながらの完成度で、動きは滑らかで音声も同期している。俳優もカメラも複雑なプロンプトも不要だ。あるのはわずか数行のコードだけだ。
この飛躍はハリウッドをはるかに超える意味を持つ。シーダンスのようなツールは、いわば「高品質スロパガンダ」時代の到来を示している。スロパガンダとは、AIが機械的に大量生産する粗悪なコンテンツ(=スロップ、ゴミ)を用いたプロパガンダのこと。いわば『AIによる情報汚染』のこと。






