コラム

無視されない話し方を伝授する「音の専門家」/Conflate(ごちゃ混ぜにする)

2016年01月21日(木)16時27分

【今週のTED Talk動画】How to speak so that people want to listen - Julian Treasure
http://www.ted.com/talks/julian_treasure_how_to_speak_so_that_people...

登壇者:ジュリアン・トレジャー

 ジュリアン・トレジャーは「音」をテーマに企業にコンサルティングを行っている専門家だ。音が人間の感情にどんな影響を与えるかについて、特に見識が深い。このTED Talkは、人間の声をテーマにしたもの。誰しも、話をするときには相手に自分の言っていることを聞いてほしいと思っているが、相手が自分の話に耳を傾けてくれなかったという経験のある人は多い。

 トレジャー氏はこのTED Talkで、どのような話し方をすれば効果的か、世の中に変化を起こすことができるかについて語っている。冒頭で、すぐに改めるべき7つの悪い癖を示した後、効果的に話をするための6つのツールを紹介。また、人前で話をする前の声のウォーミングアップ方法についても話している。これを聴いて実践すれば、自信を持って話ができるようになるだろう。

キーフレーズ解説

Conflate
ごちゃ混ぜにする

(動画2:32より)

 英和辞書でconflateを引くと、最初に出てくるのは「合成する」や「融合する」。間違いではありませんが、これらはこの言葉のニュアンスを十分伝えきれていません。

 まず、どんなものでもconflateできるわけではありません。ほとんどの場合、コンセプトや思考について使われ、さらに、2つ(以上)の混同すべきではなかったものをごちゃ混ぜにしてしまった、というニュアンスを含んでいます。

 区別すべき全く異なるコンセプトを同質のものであるかのように誤って用いてしまうことを意味します。「混同してしまう」や「(誤って)一緒にしてしまう」に近いと言えます。

 TED Talkの中でトレジャー氏は、「事実」と「意見」をconflateすることが改めるべき7つの悪い癖のひとつだと主張しています。

 典型的な使用例を紹介します:

●Donald Trump is trying to conflate Hillary Clinton with her husband's record.
(ドナルド・トランプはヒラリー・クリントンと彼女の夫の経歴を一緒にしてしまおうとしている)

●Those are two separate issues, you shouldn't conflate them!
(それらは全く異なる2つの問題で、一緒にしてしまうのはよくない!)

●In the debate over Obamacare, many people conflate health care with health insurance.
(オバマケアに関する討論の中で、多くの人はヘルスケア〔システム〕そのものと医療保険について混同してしまっている)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story