コラム

新型コロナ対策、「日本式」の特徴と評価

2020年03月19日(木)14時45分

まず、オフィスの規制については「リモート勤務」で成果を上げられる組織や人材が極めて限定される中では、選択肢にはならなかったのかもしれません。また外食については、先に「インバウンド激減」で経営が圧迫されていたために、さらに規制をかけるということは、個々の経営にとって致命的になるという判断があったと推測されます。

一方で、高齢者の活動ではなく小中高の一斉休校が選択された理由は、何よりも人口の比率が違うことがあったと思われます。70歳半ばの団塊世代は1歳あたり230万人の人口がありますが、小学生は一学年あたり110万人以下しかいないという現状から出てきた選択と考えられます。

検査総数の結果的な抑制にしても、大規模イベントと学校だけに限定した規制にしても、極めて日本に特徴的な対策だと思います。この対策が成功するにしても、大きく軌道修正を迫られるにしても、とにかく日本に独自の特殊事情から生まれた対策であるという事実は大切です。韓国や欧州などの対策との優劣を比較する場合にも、その点を考慮することは必要でしょう。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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