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【写真特集】破壊の下に横たわるトルコ1万年の歴史
BROKEN MEMORIES
Photographs by ANDRÉAS LANG

『ハサンケイフ』トルコ南東部(2021年)2020年、ダム建設の影響により古代都市が水没。19世紀末から20世紀初頭にオスマン帝国によるアルメニア人の虐殺が起こるまでは、アッシリア人とアルメニア人が多く住んでいた
<トルコ南東部のハサンケイフは、ダム建設によって1万年以上の歴史と共に水没した>
メソポタミア文明最古の都市の1つとされるトルコ南東部のハサンケイフは、チグリス川をせき止めて建設されたウルス・ダムにより、その1万年以上の歴史と共に水没した。写真家アンドレアス・ラングは、破壊が生んだ新たな時代の下に横たわる、幾多の歴史の層を写し出す。
新刊写真集『ブロークン・メモリーズ』では、多様な勢力が入り乱れ、衝突を繰り返してきた諸文明の十字路であるトルコの歴史を、ラングが「視覚的考古学」と呼ぶ手法で可視化。歴史の消滅や人々の無関心にあらがいながら、不連続な記憶の修復を図る。
考古学者が慎重に発掘を進めるように、写真の細部に目を凝らせば、奥底に埋没した歴史物語が浮かび上がる。
©Andréas Lang VG Bildkunst Bonn 2023 from "Broken Memories" by Kerbar Verlag
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