Picture Power

【写真特集】観光客が消えたイタリアの今

THE STATE OF THE ART

Photographs by TERRAPROJECT

2020年09月04日(金)17時00分

<VENICE>普段ならリアルト橋から見る大運河にはゴンドラや水上バスが行き交うが(6月2日)

<コロナ危機は、イタリア経済が大幅に依存してきた観光業の在り方を見直すチャンスかもしれない>

新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)で、大きな打撃を受けているのがイタリアの観光産業だ。現在、渡航や移動の制限は少しずつ解かれているが、国境を越える旅行への抵抗感はまだ強い。

観光業はイタリアで最も収益性の高い産業の1つだった。毎年6300万人が訪れ、推定収入は2300億ユーロ。GDPの約13%を担い、国内労働者の14%を雇用する。だが政府観光局によれば、イタリア行き飛行機の予約は6月が前年比95.2%減、7月は82.4%減、8月は76.4%減。観光業界は過去最悪の70~80%減収になるとの予測もある。

特に、観光への依存度が高い大都市ほど苦しい。その代表格であるフィレンツェ、ベネチア、ローマの今の姿を、ドキュメンタリー写真家集団テラプロジェクトが記録した。

状況が元に戻るのは2023年とも言われるなか、危機は観光業の在り方を見直すチャンスかもしれない。南部パエストゥムの遺跡公園の責任者ガブリエル・ズクトリゲルは言う。「訪問客との1対1の関係を重視する、新たな形の観光を考えるべきだ」

ppitaly02.jpg

<VENICE>ベネチアのサン・ジャコモ・ディ・リアルト広場で営業中の土産物店はほんの数えるほど(6月2日)


ppitaly03.jpg

<FLORENCE>馬車で観光客を案内する仕事を再開した男性(6月13日)


ppitaly04.jpg

<FLORENCE>5月22日に再開館したサン・ジョバンニ洗礼堂の入り口に立つ職員の男性


ppitaly05.jpg

<FLORENCE>この観光バス会社では300人以上が一時解雇された(5月20日)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

加州高速鉄道計画、補助金なしで続行へ 政権への訴訟

ワールド

コソボ議会選、与党勝利 クルティ首相「迅速な新政権

ワールド

訂正中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 30

ビジネス

中国、無人航空機を正式規制 改正法来年7月施行
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story