Picture Power

【写真特集】バブル崩壊でスペインに残った砂の城

THE SPANISH SANDCASTLE

Photographs by MARKEL REDONDO

2020年01月23日(木)18時30分

スペイン領カナリア諸島に属するフエルテベントゥラ島沿岸の大規模開発プロジェクトを空から撮影。ホテルや介護施設などが建設される予定だったが、自然公園を保護するため開発中止の司法判断が下った

<世界金融危機でバブルがはじけたスペインでは、空き家や開発途中のプロジェクトなど全土で140万の物件が放棄された>

2007年からの世界金融危機で大打撃を受けたスペインには、今も「夢の跡」が各地に残る。

36年余り近く続いたフランコ独裁政権の崩壊後、1980~90年代にかけてこの国は自由主義経済の優等生へと変貌。00年代前半からは低金利を背景に主要都市や沿岸部の開発で不動産産業が急成長した。経済は潤い、多くの国民が「自分の家を持つ」という夢を思い描いた。

ところが金融危機でバブルは盛大にはじけ、不動産市場は崩壊。銀行は巨額の不良債権を抱え、開発業者の多くは破綻した。経済状況はみるみる悪化し、13年1~3月に失業率は過去最悪の27%を記録した。

この金融危機で、スペイン全土には空き家や開発を放棄された物件が140万件ほど投げ出された。建築途中のマイホームは建設会社に放置され、貯金をつぎ込んだ人々は涙に暮れた。空港や駅、サッカースタジアムや市街地なども建設途中のまま捨て置かれ、廃墟となり土ぼこりをかぶっている。

経済危機から10年以上がたち、スペインはまたぞろ開発熱に浮かれつつある。同国出身のカメラマン、マルケル・レドンドが、「砂の城」のようにはかなく吹きさらされた各地のバブルの残骸を捉えた。

ppspain02.jpg

建設途中のまま放置されたバレンシア州クリェラ郊外の環状道路


ppspain03.jpg

ムルシア州フォルトゥナのゴルフリゾート。00年代半ばに建設が開始されたが、10年に建設会社が倒産し、開発計画が頓挫した


ppsoain04.jpg

アンダルシア州プルピの複合施設内に放置されたままの貯水池。施設はもともとはビラやアパート、庭園、プールなどを備えた保養地として売り出されていた


ppspain05.jpg

アンダルシア州アルメリアの自然公園内にあるホテルの廃墟。保護区域内での建設計画に自然保護団体が抗議活動を繰り広げ、03年に建設が中止された

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタン首都の自爆攻撃、「イスラム国」が犯行声明

ワールド

米ホワイトハウス、人種差別的な動画投稿を削除 オバ

ビジネス

ジェファーソンFRB副議長、26年見通し「慎重なが

ビジネス

SF連銀総裁「米経済は不安定」、雇用情勢の急変リス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story