<世界金融危機でバブルがはじけたスペインでは、空き家や開発途中のプロジェクトなど全土で140万の物件が放棄された>

2007年からの世界金融危機で大打撃を受けたスペインには、今も「夢の跡」が各地に残る。

36年余り近く続いたフランコ独裁政権の崩壊後、1980~90年代にかけてこの国は自由主義経済の優等生へと変貌。00年代前半からは低金利を背景に主要都市や沿岸部の開発で不動産産業が急成長した。経済は潤い、多くの国民が「自分の家を持つ」という夢を思い描いた。

ところが金融危機でバブルは盛大にはじけ、不動産市場は崩壊。銀行は巨額の不良債権を抱え、開発業者の多くは破綻した。経済状況はみるみる悪化し、13年1~3月に失業率は過去最悪の27%を記録した。

この金融危機で、スペイン全土には空き家や開発を放棄された物件が140万件ほど投げ出された。建築途中のマイホームは建設会社に放置され、貯金をつぎ込んだ人々は涙に暮れた。空港や駅、サッカースタジアムや市街地なども建設途中のまま捨て置かれ、廃墟となり土ぼこりをかぶっている。

経済危機から10年以上がたち、スペインはまたぞろ開発熱に浮かれつつある。同国出身のカメラマン、マルケル・レドンドが、「砂の城」のようにはかなく吹きさらされた各地のバブルの残骸を捉えた。

ppspain02.jpg
建設途中のまま放置されたバレンシア州クリェラ郊外の環状道路
ppspain03.jpg
ムルシア州フォルトゥナのゴルフリゾート。00年代半ばに建設が開始されたが、10年に建設会社が倒産し、開発計画が頓挫した
ppsoain04.jpg
アンダルシア州プルピの複合施設内に放置されたままの貯水池。施設はもともとはビラやアパート、庭園、プールなどを備えた保養地として売り出されていた
ppspain05.jpg
アンダルシア州アルメリアの自然公園内にあるホテルの廃墟。保護区域内での建設計画に自然保護団体が抗議活動を繰り広げ、03年に建設が中止された